聖地キャンディ(スリランカ)
1階に降りると、聖堂の1階部分が見られる。この仏歯寺はこの聖堂を覆うために建てられた2重構造になっているらしい。
1階の扉は閉じられていて中を見られなかったが、黄金仏が安置されている。天井を見上げると、古めかしい装飾で飾られていた。
新しい黄金仏の部屋もあった。中央の黄金仏の両側には、仏教国各国から奉納された仏像が並び、日本のものも置いてある。
ここには、仏歯がスリランカに伝えられた物語が描かれた絵も掛かっているので、わかりやすい。
消失の苦難を乗り越えた歯
仏歯は何度も失われる危機に遭ったといい、19世紀にポルトガルのキリスト教徒が仏歯を破壊しようとしたが、信者が偽物を使って守ったという。
イスラム過激派が遺跡を破壊したとよく非難されるが、同じようなことを少し前にはキリスト教徒もやっていた。寛容がない宗教者が現れるとそういうことになるのだろう。
最近では1998年に爆弾テロの標的になった。仏歯寺の象徴的な建物でもある八角堂周辺の破壊がひどかったという。いずれにしろ、長く人類に受け継がれてきたものを破壊するのは、宗教上などいろいろ理由をつけるのだろうが、心が貧しい人なのだろう。
そんな苦難を乗り越えてきたのも仏歯の力なのだろうか。お釈迦様といえども4本しか持っていない犬歯の1本がここにあるのだから。
1988年登録
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