「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群(日本)
最後に「神宝館」。沖ノ島で発見された千数百年前からの奉納品など約8万点が国宝に指定されて、収められている。沖ノ島は「海の正倉院」とも呼ばれている。
世界遺産登録1周年記念として「沖ノ島国宝展」が開催されていた。拝観料は800円。撮影は出来なかったが、幟にあった金の指輪はじめ、金製品や勾玉、鏡など、島への奉納品の数々が展示されていた。
遠く沖ノ島を望む場所
次に実際に行けるのが中津宮。宗像大社からバスで神湊(こうのみなと)へ行き、そこからフェリーで沖合11キロにある大島に行く。辺津宮から中津宮にも行こうと思う方は、宗像大社のバス停で降りた際に時間を調べておくのをお勧めする。
フェリーおおしま(所要25分)と旅客船しおかぜ(所要15分)があり、2時間に1本ほど、どちらかが出ている。おおしまに乗った。運賃は560円。大島での滞在時間を2時間ほど取ることにした。
フェリーターミナルから5分ぐらいのところに中津宮があり、島の反対側(北側)に沖ノ島を遠くに見る「沖津宮遥拝所」がある。帰りのフェリーの時間調整にと思い、先に沖津宮遥拝所に行くことにした。
昼時だったので、食堂で満載の魚定食を食べた後に、港でもらった大島マップを手に歩き始めた。30分かからないと言われた。
途中から雨が降り出したのは想定外だったが、ひと山越えて海にでると、海に向かって建つ沖津宮遥拝所に着く。こじんまりしている。
残念ながら、大島から北へ約50キロの海上に浮かんでいるはずの沖ノ島は、雨雲の中では見えなかった。沖ノ島への渡島が許されないため、ここで参拝することになる。晴れた日には島影を拝むことができるそうだ。
七夕伝説発祥の地でもある大島
引き返して「中津宮」へ。フェリーターミナルのすぐそば、小高い丘の上に建っている。石造りの大きな鳥居をくぐると、中津宮の境内。歩いていくと左手の川の向こうに「織女神社」と看板がある。川は天の川だという。
七夕の織姫を祀る社がそこから登ったところにあるようだ。とすれば牽牛のいるはずで、左手の道路を挟んだ丘の上に少しだけ見えるのが「牽牛神社」。ここは七夕伝説発祥の地ともいわれているそうだ。
階段を上ると中津宮の本殿・拝殿がある。辺津宮よりもこじんまりしているが、本殿と拝殿の配置は同じように見えた。
本殿は辺津宮(再建)より古い1566年に再建された。拝殿は1928年に再建されている。
大島では約2時間で、宗像大社関連は歩ける。自転車を借りるともっと速いだろう。
なお、関連遺跡群として辺津宮から遠くないところに「新原・奴山古墳群」がある。沖ノ島祭祀を行っていた宗像氏の5~6世紀の墳墓群になる。
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