シルクロード:長安-天山回廊の交易路網(中国) 西安(長安)
城壁としてはかなり大きい。南門にある階段を上って城壁の上に出ると、「ここが城壁の上?」とびっくりする。とにかく広い。りっぱな建物まで建っている。
城壁は高さ12メートルで、下部が幅18メートル、上部が15メートルもあるという。ちょっと狭いが遊びのフットサルならできそうだ。長安が都だったころの長安城は10倍の広さがあったという。当時の城壁がここまで立派だったかはわからないが、都だけのことはある。
城壁に囲まれた西安城内の真ん中にあるのが、街のシンボル存在の「鐘楼・鼓楼」。鐘楼は1384年、明代初期に建てられ、1582年に現在の場所に移された。すぐ近くにある「鼓楼」は1380年に建てられた。城門を開ける合図に鐘を鳴らし、閉める時に太鼓が鳴らされたそうだ。
鼓楼の周辺にはイスラム教徒が多く住む「回教街」があり、羊肉の串焼きなどの屋台や古い建物の商店が立ち並んでいた。ブラブラと散歩したが、いい匂いが漂っているものの、気軽に食べていいものかはわからなかった。羊肉には惹かれるのだが、見るだけにした。
空海が密教の奥義を収めた寺
世界遺産登録はされていないが、空海ゆかりの寺がある。「青龍寺」という。
詳細は他に譲るが、804年に遣唐使の一行として長安に入った空海は、この寺で当時の密教第七祖として第一人者だった恵果の教えを受けて、わずか半年で奥義をきわめ、第八祖になった。806年に帰国後、高野山で真言宗を開いた。青龍寺はその後廃寺になっていたが、真言宗の信者らによって再建されたという。
西安には、世界遺産「小雁塔」はじめ、その他にも文化財がたくさんある。さすがに歴史のある街だ。唐代に楊貴妃との関係で有名な玄宗皇帝が政務をとったという興慶宮があった公園には、遣唐使の1人で帰国せずに同皇帝に仕えた阿部仲麻呂の記念碑もある。古代日本とのかかわりが深い街だ。
夜、大雁塔のライトアップを見に行った。広場だったところが噴水になっていて、ちょっとしたショーが行われた。写真の出来は良くないが、夜空に大雁塔が浮かび上がり、水しぶきの中に立つ姿もきれいだった。
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