古都京都の文化財(日本) 二条城(洛中)

ゆっくりと歩く。「蘇鉄の間」の廊下を通って「黒書院」へ。「一の間」「二の間」は桜の絵で飾られ、桜の間とも呼ばれる。書院だけに、動きがある動物ではなく、植物が主体なのだろうか。将軍が徳川家に近い大名や高位の公家と対面した。

外側から見た黒書院

最後が「白書院」。将軍の居間と寝室があったと考えられているそうだ。ここは山水画や人物画などの水墨画が描かれている。他の部屋は金ピカの「狩野派」という絵がふんだんに使われているが、さすがに寝る時は落ち着かないだろう。

外側から見た白書院

順路はここで折り返して、今度は各建物(部屋)の後ろ側を見ながら遠侍に戻る。黒書院ではボタンの絵一色の「牡丹の間」、式台では「老中の間」、遠侍では「勅使の間」「柳の間」という感じで裏側の部屋を見られる。

建物をつなぐ廊下は「鶯(うぐいす)張り」になっているので、歩くとキュッキュッという鳥の鳴き声のような音が鳴る。聞き心地もいいが、防犯にもいい。

どこから見ても正面になるという庭園

外に出ると雨はほぼ上がり、傘はいらなくなった。二の丸御殿を出て右へ、建物に沿って歩いていくと、特別名勝に指定されている「二の丸庭園」が広がってくる。先に行くと池がでてくる。

 

1626年の後水尾天皇の行幸に合わせて作事奉行・小堀遠州の下で現在のような庭園になったという。池の中央に蓬莱島、左右に鶴亀の島を配した書院造庭園というが、どれがどの島かはよく分からなかった。散策にはよさそうだ。

コロナ禍ではあるが、中学・高校の修学旅行だろうか、団体が何組かあって二の丸御殿では中学生、ここでは高校生の団体が来たのでやり過ごしながらゆっくり歩いた。ガイドさんの説明は参考になるので、聞き耳は立てていた。この庭園「どこから見ても正面に見える」ようにつくられているんだという。

高校生たちがガイドさんの説明で廊下の下に潜り込んで何かを見ていたので、行った後にのぞいた。鴬張りの廊下の仕組みが分かる。「目かすがい」で固定した床板に隙間があるため、人が上に乗ると「目かすがい」が上下に動いてこすれ、音が鳴るようになっている。

廊下の床板の下にある「目かすがい」

絵画は模写して修復中

二の丸庭園を抜けると「本丸御殿」にでる。「東橋」で内堀を渡って中に入る。疑うわけではなかったが、やはり建物全体が修復工事で覆われていて、御殿は見えない。修復の様子が写真パネルなどで展示されていた。

「本丸庭園」は工事をしていないので見られた。明治天皇の行幸に合わせて、枯山水の庭園から改造したという。

「西橋」で内堀を渡って二条城の最奥に来て、ここから時計回りに元に戻る。門や「清流園」などの庭園を右手に、本丸の石垣と内堀を左手に見ながら、ぶらぶらと歩いた。

出入口の東大手門の手前に「二条城障壁画 展示収蔵館」がある。入場料100円で入った。二条城の障壁画のオリジナルが一部展示されている。

収蔵館のパンフレット

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