カサーレの別荘(イタリア)
パレルモ~ピアッツァ・アルメリーナ~カサーレの別荘
シチリア島にモザイク満載の帝政ローマ時代の家が残っている。2017年、行ってみた。
パレルモからバスで2時間ちょっと、ピアッツァ・アルメリーナ(Piazza Armerina)という山合いに建物がびっしりと並んでいる街に入る。目的地の「ヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレ(Villa Romana del Casale、カサーレの別荘)」はその郊外にある。
建物の床一面のモザイク
入口から入るとまず壊れかけた小さな建物がある。ここには後でつけたと思われる屋根が3つ、ついている。
「浴場があったところです」とガイド。冷水室、マッサージ室、運動室などがあり、床にはモザイクがある。
「街の公衆浴場でもありました」という。なので、別荘の外側に建てられていたということだろうか。柱が少し残ったところを通り過ぎると、別荘の玄関になる。
玄関から中をのぞくと、床一面にモザイク。さすが、ローマ時代のモザイクで飾られた別荘という雰囲気は、まず玄関からも伝わってくる。
モザイクを踏まないようにつくられた見学路を通っていく。廊下を柱で囲まれた中庭にでる。半円で囲まれたところは「神棚があったところです」とガイド。信仰の場でもあったらしい。
ここで見学路は階段で上に上がっていく。床のモザイクを見るので、上から見られるように見学路は高くなっている。ただ、物を落としたら拾えないので注意を。下にはモザイクが広がっている。
全長138㍍、幅3.8㍍の廊下は回廊になっていて、屋根がついていて夏は日よけをしながら歩けたという。床のモザイクは、主に動物の顔が描かれたモザイクが続いている。
人物、動物、幾何学模様…モザイク、モザイク
中庭を囲むように部屋があり、その部屋ごとに様々なテーマのモザイクが床を飾っている。
モザイクを見るのに一生懸命で、部屋の名前までは正確に憶えられなかったが、イタリア語と英語の説明版があり、簡単なモザイクの説明と部屋の位置が記されているので、見に行く人は参考に。
狩りのモザイクの部屋では、さまざまな動物が生き生きと描かれている。今にも動き出しそうだ。
狩りに行くときの服装や武器などが描かれており、当時の様子がうかがえ、習慣や風俗などがこのモザイクで知ることができそうだ。
海なのだろうか、漁をしている場面もある。4層の船でキューピッドが網を引いている。
このあたりには海はないはずなのだが、別荘というだけに、ここに住んでいた人は普段は海に近いところにいたのだろうか。
「ここは奴隷部屋や倉庫になっていたといわれます」という床にも、幾何学模様のきれいなモザイクがある。とにかく、モザイク、モザイクだ。
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