ヴァチカン(バチカン)市国 サン・ピエトロ大聖堂

正面のファサードの上には11人の使徒の像が立っている。


大聖堂に入るには、向かって右側に列ができているのでそこに並ぶ。平日の夕方、その長い列ではなく10分ぐらいで手荷物検査へ。大きなリュックはだめというので、最小限の小さめのバッグにしてきて正解。入場料は無料だ。
扉は5つある。中央の扉が開いていた。一番右にあるのが「聖年の扉」。5つの中では最もきらびやかな装飾がされていた。25年に1度の聖年にしか開かないので、残念ながら前年2016年に開いていたが、行った時は閉まっていた。

聖年の扉

各扉にも装飾があり、一番左の扉は「死者の扉」という。中央扉は旧大聖堂から受け継いだものだといい、15世紀のもので「フィラレーテの扉」。そこから入る。

荘厳な「ピエタ」から始まる

中もさすがに巨大だ。天井が高い。壁、天井、床…あらゆるところに彫刻など装飾がある。豪華絢爛、とはこのことを言うのだろう。
まず見なければならないのが、入って右の側廊にある「ピエタ」。ミケランジェロが1500年の聖年に当たって製作した。


大理石から掘り出したとは思えない繊細さ。聖母マリアが磔で亡くなったキリストを抱きかかえている姿は、キリスト教徒ではなくとも胸に迫るものがある。


とにかく広いので、まず右の側廊と中央の身廊を行ったり来たりしながら奥に進む。すぐに絵が飾られた「聖セバスティアーノの礼拝堂」がある。

サンセバスティアーノ礼拝堂「聖セバンスティアヌスの殉教」

進むと「グレゴリウス13世の墓碑」。現在使われている暦となる「グレゴリウス暦」を採用した教皇として知られる。

教皇グレゴリウス13世の墓碑

小さな礼拝堂などもあるのでゆっくり見ながら進んだ。時々は天井も見上げたい。装飾や小さいクーポラがたくさんある。

大天蓋、大クーポラ…巨匠渾身の作

奥の内陣に着く直前、中央身廊の右手に「聖ペテロのブロンズ像」には人だかり。ここから先は「聖ペテロ」の空間になる。
ちなみに日本ではペテロと訳されているが、言語や翻訳によってペトロ、ピーター、ピエール、ペドロ、ピョートル…など同じ名前。大聖堂のピエトロはイタリア語になる。


内陣の中央に据えられているのが、ベルニーニ作のブロンズの天蓋「バルダッキーノ」。威容を誇っている。


ねじれたような独特のデザインの4本の柱。ヴァチカンのシンボルのミツバチや天使がちりばめられている。高さ約30㍍で、ローマのパンテオンにあったブロンズ像を溶かしてつくったという。


天蓋は主祭壇の上を覆うようにできている。主祭壇の前は地下に続く階段があり、聖ペテロの墓がある


天蓋の上は、ミケランジェロが設計した大クーポラ。こちらもきれいな装飾が施されている。


それ以上は進めなかったが、天蓋の奥が後陣。「聖ペテロの司教座」がある。これもベルニーニの作品。聖ペトロが使った木製の椅子がその中に組み込まれているのだという。

サン・ピエトロの司教座

聖ペテロの大聖堂だから当然なのだが、ミケランジェロ、ベルニーニ2人の巨匠による聖ペテロにまつわるもので埋められている。
帰りは左側廊と身廊左側を行ったり来たりしながら入口(出口)の方へ戻る。とにかく、聖人たちの彫刻、彫刻であふれている。どれがだれなのか、よくわからなくなってくる。

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