カルタゴ遺跡(チュニジア)

ローマ劇場

劇場の先が「ローマ人住居跡」。ほとんどはレンガを積み上げた区画しか残っていないが、栄華の片りんを見られるのが修復された「ヴォリエーラ(ヴォリエール、鳥舎)の別荘」。通称「鳥の家」だ。

ローマ人住居鳥の家

中庭の地面にあるモザイクには、動物や鳥、魚などが描かれている。それぞれが四角に区切られて碁盤の目のようになっており、ゲームに使っていたという説もあるという。そう思うと、双六のようではある。


ローマ人の住居跡から海に下りていくと「アントニウスの浴場」にでる。2世紀に建てられたという。高さ15㍍の円柱が目を引く。柱からいえば、相当大きな建物だったのだろうか。


浴場には更衣室から2つの温泉に入れるようになっていて、冷浴室、温水プール、高温浴室、サウナ、体育場などの施設があったという。健康ランドといったところか。


往時の面影はほとんどないが、石積みの遺跡はかなり大きな建築物だったことをうかがわせる。


遺跡を区切るように、ベンアリ大統領(当時)の大統領官邸の白壁が細長く続いて、外部と遮断している。「あまりカメラを向けない方がいいわよ」とカウターさんが小声で言った。付近は銃を持った軍の兵士が巡回しているという。
その大統領は、行った2カ月後に「ジャスミン革命」で追放(亡命)されている。

白い壁の向こうが大統領官邸

ここからカルタージュ・ビュルサ駅方向に行くと、円形をしていた古代カルタゴ港の遺跡や、カルタゴの守護女神タニトを祀る「トフェ」という聖地がある。

カルタゴ港

世界一のモザイクコレクション

カルタゴ、ローマの遺跡を見たら、ぜひ「バルドー博物館」に足を延ばそう。チュニジアの遺跡などから発掘、移されたローマ時代のモザイクは質、量とも世界最大規模だという。
行った時(2010年10月)は全館改装工事中で、通常の3分の1ほどしかみることができなかったので、入館料も半額以下だった。


まだ陳列品が包装されたまま置かれていたり、工事をやっている横を通ったりして見学した。


完成した部屋に入ると、床にモザイクがある。その上を歩く。すべてではないが、床にあったものは床にする、という陳列法を取っているということなので、ちょっと驚いた。

海賊とキューピッドの釣り

 


ちなみにモザイクは、大理石などの自然石や、ガラス、陶器などを小さいかけらにして張り付け、色の違いを利用して絵や模様を描いたもの。ギリシア、ローマの時代に流行した。

ボクシング

2012年全館オープンと書いてあったので、今は楽しめるだろう。

1979年登録

  1. この記事へのコメントはありません。