サンクトペテルブルグ歴史地区と関連建物群(ロシア) エルミタージュ美術館

サンクトペテルブルグ~エルミタージュ美術館

世界4大美術館・博物館の1つに、エルミタージュ美術館(Hermitage Museum)がある。
30年ぐらい前は3大(ルーブル、メトロポリタン、大英=故宮など諸説あり)だったのだが、旧ソ連の崩壊で開かれたロシア屈指の美術館も入れることになったのだろう。先の3つは足を踏み入れているので、4大にしようと思い、美術館のある街へ2012年、行ってみた。合わせて、歴史地区を見てきた。

ロシア帝国ロマノフ王朝の女帝エカテリーナ2世( Yekaterina II)が1764年にドイツから美術品を購入したのが美術館の始まりとされているが、建物自体はその先々代の女帝エリザベータが1754年に建設を始めた冬宮が始まり。元は宮殿だった。

全盛期の女帝エカテリーナ2世の隠れ家

エルミタージュは「隠れ家」を意味する。
今後よく出てくる18世紀後半のロマノフ王朝の人間関係について、ガイドの話などを簡単にまとめると、スウェーデンとの大北方戦争に勝利し、バルト海へ進出したピョートル1世(大帝、 Pyotr I)はサンクトペテルブルグを建設した。
后エカテリーナ1世との間に娘が2人いて、長女エリザベータは父母の後に即位、次女アンナの息子がエリザベータの後を継ぎ、ピョートル3世となって后をドイツから迎えた。エカテリーナ2世だ。
エカテリーナ2世が夫ピョートル3世に代わって即位した時点で、王朝の血のつながりはなくなっている。かなりの専制君主だったというが、王朝としては全盛期を迎えた。

入場する。まず「大使の階段」を2階に上る。ちなみに、美術館は冬宮、旧、新、小エルミタージュ、劇場の5つの建物で構成されている。
通路は約20㌔になるといい、丸1日かけても歩ききれない。収蔵品は300万点で、ガイドは「展示品だけでも1点1分見ると3カ月以上かかるそうです」。5年ぐらい住み込まないと全部見られそうもない。

「大使の階段」は彫刻を施した白壁に金色装飾、赤絨毯。ここを各国から訪れた要人が上ったのだろうが、いきなり度肝を抜かれたに違いない。
館内は広い上に、封鎖されているところもあるので、一応「順路」に沿っていかないと迷子になりそうだ。館内の各部屋には番号があり、それと館内マップを照らし合わせながら進む。
「元帥の間」を通って「ピョートル大帝の間」に。サンクトペテルブルグの街そのものを造った皇帝は身長205㌢の大男だったという。肖像画が飾ってある。

抜けると「紋章の間」。天井からぶら下がる巨大なシャンデリアに、ロシア各地方の紋章があしらわれている。「ナポレオン戦争の間」で戦死者の肖像画をみながら「大玉座の間」へ。ここが、皇帝謁見の間だった。
白壁、金装飾、シャンデリア・・・。こんな部屋がいくつあるんだろうか。マップによると、番号が打たれている部屋だけでも大小300以上。確かに隠れんぼにはいいかもしれない。

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