アントニ・ガウディの作品群(スペイン) コロニア・グエル教会

バルセロナ~コロニア・グエル教会~モンセラート

バルセロナ市街、郊外に世界遺産になっているガウディの建築物は7つある。2015年、最後に郊外の「コロニア・グエル教会」(Cripta de la Colònia Güell)に行った。
バルセロナ市内から郊外電車で「モンセラート」(Montserrat)方面に行く途中にあるが「行くならモンセラートにも行こう」と、ホームステイ先のレシーナ夫妻が車で連れて行ってくれた。
農村地帯のちょっとした丘の上に、サグラダファミリア同様、ガウディの未完の教会が建っている。

工場従業員の福祉施設

教会の入口に行くと「いまミサをやっているので入れません。11時から30分ぐらいなら中には入れます」というようなやり取りを、教会の人とレシーナ夫妻がしていたと思う。時間つぶしに教会の丘の下に広がる街を歩いた。

コロニア・グエルは、ガウディの理解者でスポンサーだった実業家エウゼビ・グエル氏が、1890年から繊維工場を建てて、労働者や家族を周囲に住まわせた「工業団地」。学校、病院、劇場などが当時のままで残っている。
工場などの従業員らへの福祉の一環だったのが教会建設だったという。案内所で日本語のガイドブックと音声ガイドを手に入れて、街を1周した。

時間が来たので、教会に入った。まず、入口の形にびっくりする。玄関ポーチは斜めに傾いた柱と、曲線を描く梁で屋根を支えている。その屋根も斜め。全体にむき出しのレンガでゴツゴツした質感だ。

教会の玄関扉の枠は荒削りしただけのような白い石で組まれている。扉の天井には、モザイク。神学でいう3つの対神徳と4つの枢要徳が描かれているというが、信者でないと分からないかもしれない。

玄関をくぐって中に入ると、信者でなくても厳粛なムードと「なんだ、これは」という驚きを感じるだろう。

ここが教会? 驚きのデザイン

およそ、いままでに知っている教会という感じではない。たぶん賛美歌だと思うが、20人ほどのグループが次のミサのために合唱の練習をしていたので、雰囲気は抜群だったが。

まず、ここでも斜めにたてかけられた柱が目に付く。柱は中央に4本、少し細いレンガ造りの柱9本がその外側を取り囲んでいる。
多分規則性があるのだろうが、天井にあるレンガアーチと一緒に見ると、不揃いなようでいて、全体のバランスがしっくりしている。

ステンドグラスは花びらを表しているよう。さまざまな色づかいのモザイク模様が、教会内を微妙な色に仕上げている。

 

比べて、中央祭壇はただ石を組んだだけで簡素に見える。中央祭壇に向かって左手に「聖家族の祭壇」、右手には「モンセラート聖母の祭壇」がある。

聖家族の祭壇

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