クイーンズランドの湿潤熱帯地域(オーストラリア)

ケアンズ~ツアーバス~アサートンテーブルランド(高原)

オーストラリアのケアンズ(Cairns)周辺は、海に世界遺産グレートバリアリーフがあるが、山だって負けてはいない。ケアンズがあるクイーンズランド(Queensland)州には湿潤熱帯地域が広がっている。いわゆる熱帯雨林。1998年、行ってみた。

キュランダ高原鉄道(Kuranda Scenic Railway)で熱帯雨林の中を走って行くというツアーもあるが「動物を見たい」と思い、ケアンズ市内からの「夜行性動物探検ツアー」に申し込んだ。持参するものとして「大自然を愛する心」とあるので、忘れないように。

世界最古の熱帯雨林が広がる

バスでまず海沿いを走る。海の中にマングローブが生い茂っている。「葉の中で1枚だけ、黄色くなってきます。塩分がたまっている葉で、それを落として外に出すんです」とガイド。

すぐに山道に入る。「このへん全部、世界遺産です」と、クネクネと「いろは坂」みたいな道を走りながら、ガイドが説明してくれるが「そうかあ」とうなずくだけだ。

ここあたりは、世界最古の熱帯雨林地帯が広がっている。1億年以上前からまったく変わらない自然だというのだが「こんなりっぱな道路もあるしなあ」と思いつつ、左右の車窓から「ジャングル」をながめ、しばらく走ると、高原地帯に出た。このあたりが「アサートンテーブルランド(Atherton Tableland)」らしい。

この動物ツアー、世界遺産の範囲だったり、なかったりするが、意外と(といっては失礼か)ちゃんと動物に会える。

民家の脇を通って岩場に連れて行かれた。ロックワラビーという岩場に住む小さなカンガルーが数匹、待ってましたとばかりに出てくる。体長は、しっぽまで入れても70~80㌢ぐらいだろうか。でもしっかり「カンガルー」の顔、形をしている。

ロックワラビー用のエサを渡され、手に乗せてしゃがんで待っていると、岩から降りてきて顔を手に突っ込んで食べ始める。最後は容器を器用に持って食べ始めた。餌付けされているのだろうが、間近に見られることは確かだ。

ちなみに、ワラビーとカンガルーの違いは、大きさによって分かれているのだという。見ての通り、小さい方がワラビーと呼ばれている。

オーストラリアの動物に出会える

オオコウモリが無数にぶら下がっている木に案内された。最初はどこにいるのか分からなかったが、分かってくると不気味。大きな葉かと思っていたら、木の枝という枝にぶら下がっている。相当でかい。

遠めだったのではっきりした大きさは分からないが、50センチは下らないと思う。逆さにぶら下がっているのだが、木全体が黒っぽくなっている。後で調べると、羽を広げると2㍍近くにもなるという。写真は難しかった。

コウモリって、昼間は洞窟などの暗いところに身を潜めていると思っていたが、百昼堂々とぶら下がって身をさらしているのには少し驚いた。果物を主食にしているという。

ナーデロス湖の近くの大きな木には、オオワシが巣をつくっていた。湖岸に1本だけ立っている木のてっぺんがモシャモシャとしている。しばらくすると、ワシが1羽飛んできて止まった。

「笑いカワセミ」というのもよく見かけられる、というよりは独特の鳴き声をよく聞く。ガイドによると「カカカ、キキキ、ククク ケケケ コココ」を早口にまくし立てると、鳴き声になるそう。お試しを。

普通の? 大きさのカンガルーも牧草地らしいだだっ広いところでピョンピョン跳んでいる。バスと競争しているか、逃げているのか分からないが。これらの動物は、民家のすぐ近くにいる。共存しているということなのだろう。

草原には、道路のすぐ脇に白アリの巨大なアリ塚もあった。日本では木の家を食い荒らすが、こちらは土の家をせっせと作る。見たのは高さ1.5㍍ほどのものだったが、表面は硬いコンクリートのようだった。

カモノハシ、ポッサム…身近で暮らす動物たち

さて、シャングルに入る。「カーテン・フィッグ・ツリー」。イチジクの種が鳥などの動物によってほかの木の枝の上に運ばれ、そこで芽を出し、根を下ろし、その木に絡んで成長し、最後は絞め殺してしまうという。

ちょうど、木の上の方から生えてきた無数の枝やら根やらがカーテンのように垂れ下がっている。これも、ちょっと日本では見られないか。

ここから、ツアーの目的でもある夜行性動物を見つける時間帯になる。夕方、「カモノハシを見に行こう」と、ガイドと川のほとりに行った。夜行性なのだろうか。でてくる時間らしい。川面に浮かびあがって泳ぐ、かすかな姿は拝めたが…。

そして夜。オージーバーベキューをしながらそのへんに食べ物をまいておくと、リスやポッサム、小型のカンガルー(ガイドはワラビーとは言わなかった)など、いろんな動物がやってくる。

自然のままなのか、飼い慣らされ始めているのか。ジャングルの中、たっぷりの自然があることは間違いない。上を見上げると、満点の星空。ウルルでは分からずじまいだった南十字星を教えてもらった。

1988年登録

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