ストーンヘンジ、エーヴベリー関連遺跡群(英国)
目的は何? 謎だらけの巨石
目的は、祭祀のためとか、天文観測のためというのが一般的な見解だという。卑弥呼の時代でもそうだったように、先史時代の祭祀の重要性は現代の比ではなかったのは分かるが、こんなに時間と労力をかけるだろうか。
天文学的な観測の場所という説があるが、農業や儀式のためだけにつくったとは思えない。
ただ、何世紀も掛けて、まるで駅伝かリレーでもするかのように建て増ししたり、石の配置を替えたりしていったというだけに、ここがよほど重要な場所だったのは想像できる。
グルッとひと回りしていろいろな方向から見てみた。
今残っているような「形」になった理由もわかっていないが、いろいろな角度から見ていると、壊されているのか隙間も多いし、「完成」したかどうかも疑問だ。
いまはいたずらと認定されている「ミステリー・サークル」やUFOの目撃談がこの周辺には多くあるため、宇宙船の着陸地点という説や、英国建国にまつわるアーサー王伝説に登場する魔術師マーリンが造ったという説などもまことしやかにあるという。
ただ、じっと見ていると、どの説も侮れないほど、不思議な巨石だ。30㌔ほど離れたエーヴベリーにも、規模は大きくないが同じぐらい古い遺跡がある。この一帯は「巨石スポット」になっているようだ。
草原に寝転びながら遠くからもながめてみた。放し飼いの羊がそばで草を食んでいる。横になって形をじっと見ていると、1つ、浮かんだ。
コンロの五徳。そう考えると、円盤を載せる台にしか見えなくなってきた。支持する説が決まったところで、腰を上げた。
1986年登録
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