九寨溝(中国)
九塞溝のナイアガラ
九寨溝をつくるY字谷の合流点・諾日朗へ向かう。ここにある滝が「諾日朗瀑布」という。
水流、落差は先に見た珍珠瀑布より小さいが、ナイアガラの滝のように流れが連なっている。ちょっと離れた専用の展望台から見た方が迫力がある。
滝つぼもまたマイナスイオンいっぱい。ここはどこへいってもマイナスイオンにあふれていそうで、それだけでも健康によさそうだ。
環境保護への取り組み
昼食の時間になる。ここでは、池のほとりに弁当広げて…ということはできない。残飯などゴミがせっかくの環境を破壊するため、諾日朗の餐庁でしか食事をできないので、観光客はすべてここへ集まる。
バイキングと通常の中華料理のコースを選べたが、バイキングにした。バイキングといっても、大半はいわゆる中華料理。山菜や野菜中心で種類豊富、味付けにバラエティーは多くなかったが、日本人の口にあう。もちろん、ビールも注文したが、高山にいることをお忘れなく。
環境を守ると言えば、トイレバス。よく道端に止まっている。洋式で便器の中にビニールが広がっている。不思議に思ったが、用を足すとわかる。水で流さず、そのビニールが包み込んで封をする仕組み。出せるなら、試してみよう。
木々の間から見える奇跡のブルー
昼食後、Y字の左側、則査窪溝の行き止まりの長海(標高3103メートル)に向かう途中で待望の太陽が顔を出した。長海は九寨溝の中でもっとも大きく、これなら湖と呼べるかもしれない。太陽光が反射してまぶしい。
食事はしたし、太陽は出てきたし、標高が上がると紅葉も進んできたしで気分は良くなり、高山病はどこ吹く風。柵道をトントンと軽い足取りで下りていくと、林の木々の間から鮮明なブルーが目に飛び込んできた。
「五彩池」という。この奇跡のような「青」は、本当に水の色なのかと思ってしまうほどの鮮やかさだ。
ただ、池岸へ行くと、光の角度の関係か、道の途中で見たような色ではなくなり、青に深みが出てくる。浅いところは緑や黄色がかっており、これも「五彩」と呼ばれる所以なのだろう。
「午後はたくさん移動します」という趙さんに言葉に、後ろ髪を引かれる思いで五彩池を後にして、いったん諾日朗へ出て、今度はY字の右側、日則溝の最奥部の原始林へ。原始林の多くは松や杉など針葉樹系だろうか。
そこから、徐々に下ってくるというルートを取る。紅葉の色づきが良くなる。標高3000メートルで、今度は森林浴。やっぱりここは健康にいい。
個性的な池が次々と
バス道の脇をゆっくりと下っていくと、「熊猫(パンダ)海」。中国・始皇帝を暗殺しようとする物語の映画「英雄(ヒーロー)」のロケ地になった。
ワイヤーアクションで、この池の水面で戦う場面が出てくるが、あたりの環境を壊さずにどうやって撮影したのか、想像は出来なかったが…。
名前の由来は、以前は付近に住んでいたパンダが水を飲みに来たからだという。このあたりはパンダが生息する地域だった。ここでは、九寨溝に住む唯一の魚の嘉陵裸裂尻魚(かりょうられつこうぎょ)という鯉の仲間がみられた。
熊猫海の隣りにあるのが「箭竹海」。箭竹はパンダの主食だ。このあたりには以前はパンダが生息していたという。九塞溝のある四川省はパンダの古里でもある。
鶴が水を飲みに来たという「天鶴海」の青、緑、白の不思議な色のコントラストにも驚かされる。水が描き出す景観の数々。圧倒された。
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