古都京都の文化財(日本) 比叡山(洛北)

京阪京橋駅~八瀬比叡山口~比叡山山頂~横川~西塔~東塔~ケーブル坂本駅

大阪に仕事で行ったときにいいチケットがあることを知った。京阪電車の比叡山横断チケットというもので、大阪市内から比叡山内の電車、比叡山延暦寺の巡拝券がついて3300円(当時)。それに利用する機会ができたので2015年、行ってみた。
午前8時半前に京阪電車で京橋を出て京都の出町柳へ。叡山電車に乗り換え、八瀬比叡山口からケーブル八瀬駅に歩き、叡山ケーブル、叡山ロープウェイと乗り継いで比叡山山頂駅にたどり着いたのが10時過ぎ。横断チケットのパンフレットに比叡山内シャトルバスの時刻表があったので、大阪からの長旅の間に比叡山内の順路を決めた。


比叡山延暦寺は1つの寺ではなく、いくつもの堂宇でできている。山頂駅に近い順から「東塔(とうどう)」「西塔(さいとう)」「横川(よかわ)」の三塔という3つのエリアに分かれ、各エリアを結ぶバスは30分から1時間に1本程度。見学時間を想定してうまく回らないとロスが大きくなる。
考えた末に、まず一番遠いところにある「横川」に行くことにした。来るときの駅のどこかで、延暦寺三塔マップと比叡山を紹介するパンフレットを手に入れておこう。

約1200年前、最澄の草庵から始まった

比叡山延暦寺について簡単に。開山は最澄(伝教大師)。12歳で出家し、785年に東大寺で僧侶の資格を得て、比叡山に草庵を結ぶ。788年(延暦7年)に一乗止観院(現在の根本中堂)を創建したのが比叡山延暦寺の始まりだという。
その後、唐に渡って天台山で密教や禅などを学び、帰国後日本の天台宗を開いた。822年に入寂(死去)する。翌年「延暦寺」の寺号となった。
第3代天台座主の円仁(慈覚大師)、「中興の祖」といわれる良源(慈恵大師)はじめ多くの高僧を輩出したが、親鸞(浄土真宗)、法然(浄土宗)、道元(曹洞宗)、栄西(臨済宗)、日蓮(日蓮宗)、一遍(時宗)など、歴史で習った様々な宗派の開祖もここで修行している。延暦寺は宗教の大学のような役割だったらしい。


道々にそんな説明の看板があり、修行の地という場所もあるので、気づいたら見ていこう。
比叡山というと「僧兵」を思い浮かべる。政治への影響力もあったため、怒った織田信長が全山焼き討ち(1571年)したのは有名な話だ。
さて、シャトルバスで約20分、やっと比叡山延暦寺といわれるところに着く。

おみくじ発祥の地、横川

横川バス停から坂を下りていくと、赤い大きな建物がある。「横川中堂」で、円仁によって848年に創建された。信長の焼き討ちで焼失。江戸時代に舞台造りの大堂が再建されたが、昭和17年に落雷で再び焼失。今の建物は昭和46年に建てられたものだ。


横川は円仁が開いた天台宗の僧侶の修行の場だという。本尊の聖観音はこれまで焼失を免れて今に伝わるという。


あたりの森の中にはいろいろな建物が点在する。横川中堂から森に入る道の突き当りに「鐘楼」。右に曲がっていくと「恵心堂」がある。「往生要集」を著した恵心僧都源信が初めて修行した場所だという。

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