プリトヴィツェ湖群国立公園(クロアチア)

下湖群トルニナ滝

行楽地から戦場、そして危機を脱した

公園は19世紀ごろから行楽地だったという。1991年、クロアチア独立時の内戦ではセルビア人が立てこもって戦場になり、自然や管理施設などが破壊されたため、世界遺産の危機遺産リストに載せられ、登録を外される可能性もあった。
内戦終了によって逃げていた動物が帰ってきて、かつての水の輝きを取り戻した。


下湖群を2時間ほど歩いて、上湖群との境になるコジャク湖畔に到着。ここから船でさかのぼる。
船を待つ間、休憩所のコーヒーで体を温める。ここから船で細長い湖を渡る。上湖群は標高が下湖群より若干高いからか、船上から見る周囲の黄葉はかなり進んでいた。


上湖群の入口ブルゲティで降り、今度は上湖群をいく。木道脇を流れる川の水は澄み、触ってみたらかなり冷たかった。


木道と湖の間の木々が多く、下湖群よりも湖を見にくい印象はあった。水の色はこちらのほうが青が強いという。湖面に紅葉が映る。湖をつなぐ滝は下湖群よりは落差が大きい。


堰は年1㌢程度成長するといい、上流からこの湖群がつくられてきたとすれば、上湖群の堰は下湖群より大きくなっているということだろうか。たしかに湖自体は大きい。


上湖群はグラディンスコ湖から見て、カロヴァツ湖まできたところでバスの停留所へ。歩き始めてから約4時間。その先の上湖群の行き止まりまで行くと、全部で7~8時間の行程になるという。


ホテル方向に戻るために公園内を巡回している電動バスを待っていたら、雨が上がったためか、急速に濃い霧に覆われ始め、周辺の視界がなくなっていった。ギリギリセーフ、という感じだった。

1979年登録

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