ローマ歴史地区、教皇領とサン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂(イタリア、ヴァチカン) 古代ローマ遺跡
ここで道を渡り、フォロ・ロマーノの横に出る。柵はあるが、歩道からも見られるので、それでいいという人は歩道から眺めるだけでも雰囲気はわかる。渡ってすぐ見えたのが「カエサルのフォロ」。列柱しか残っていないが、あのカエサル(Caesar、シーザー)だ。
カエサルも歩いた「聖なる道」をいく
遺跡に沿って戻ると、フォロ・ロマーノの入口。パラティーノの丘とコロッセオとの共通入場券で入った。四半世紀ぶりに見たが、印象が違う。建造物がたくさんある。もっとスカスカだった記憶があったので、当時の写真を引っ張り出した。
当時は修復作業が行われていたので、この26年でかなり進んだのだろう。ガイドブックを片手に、案内板を見ながら歩き始めた。遺跡中央の聖なる道(Via Sacra)をまず右に折れると「エミリアのバシリカ」。前179年に監察官レピドゥスが建てたもので最も古い遺構の1つだという。
バシリカというのは方形で、部屋を側廊で囲んでいる建物で、古代ローマでは司法関係に使われたといい、教会のことを指すようにもなった。
地図によると道は突き当たりそうなので、まずは右側だけを見ていく。4階建ての「元老院」がちゃんとしているが、基壇しかない、柱しかないといった建造物が多いので、目立つものを見ていこう。丘になる突き当りには多くの遺構が残る。
正面に大きく見えるのが「セヴェルス帝の凱旋門」。203年に東方との戦勝記念に建てられた。
壁面には彫刻があり、戦いの様子が描かれているようだ。高さ23㍍、幅25㍍。この辺ではきちんと残っている遺構の1つだ。
凱旋門の左手上方に古代の遺構の上に現代の建物が建っている。「タブラリウム(公文書館)」の遺跡の上に市庁舎が建っているのだという。こうした使い道も「3000年の都」ならではなのだろう。
左には「サトゥルヌスの神殿」。円柱8本が建ち、農業の神をまつった神殿で、紀元前に建てられたローマ最古の痕跡の1つだという。この辺りの丘はカンピドーリオの丘と呼ばれる。
1991年当時はまだ修復中だった。こうして少しずつ、フォロ・ロマーノは元の姿を取り戻していくのだろう。
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