バルセロナのカタルーニャ音楽堂とサン・パウ病院(スペイン) カタルーニャ音楽堂
「自然の光を取り入れるために、窓を大きくとっています」というように、コンサートホールは暗いものだと思ったが、室内にして野外の感じ。そして、どうやらこの音楽堂のテーマは「花と女性」のようだ。
花と女性を意識した建築
1階客席に降りる。ステージが豪華だ。カタルーニャ独立主義者だっただけに、ステージ中央にはカタルーニャの紋章。左右には9人ずつの女性がさまざまな楽器を弾いている女性の彫刻が飾られる。
上半身は石の彫刻だが、下半身はモザイク。壁から上半身だけ突き出している。音楽を聴く前に、これを見て観客はまずびっくりするだろう。
中央上部にはパイプオルガン。自動演奏をできるので、ガイドが1曲聴かせてくれた。いまも年間300回以上のコンサートが開かれ、50万人以上が来るという。
ステージには女性たちが美を競っているが、ホールの壁や柱には様々な彫刻、音楽家や動植物などで埋め尽くされている。ガウディ建築とは趣が違う。
次にステンドグラスで飾られた控え室に行き、外にでるとバルコニーになっている。外から見上げたモザイクの柱が14本立っている。間近で見ると、モザイクはすべて花がモチーフになっている。
モンタネールは花と女性と決めたら徹底的に花と女性なのだろう。ガウディの建築のようにデフォルメされておらず、見た目がわかりやすい。
ガウディが自然を建築のテーマにしていたのは、この人に教えられた影響があるのだろうか。こだわりを強く感じた。柱のモザイクを見ていると、ガウディが作ったグエル公園のベンチや建物の天井を思い出した。
モンタネールの建築でもう1つ、世界遺産に登録されている「サン・パウ病院」。100年ほど病院として使用され、ステンドグラスや彫刻で癒しの空間をつくったという。
時間がなくて行けなかったが、今は内部も公開されているので足を伸ばしてみては。次回バルセロナに行けたらぜひ行ってみたい場所でもある。サグラダ・ファミリアまで一本道のところに対峙するように建っているという。このあたりにも、モンタネールのガウディに対する意識がみえるようだ。
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