アレッチ氷河(スイス)

ベルン~インターラーケン~グリンデルワルト~ユングフラウヨッホ

スイスの首都ベルンから電車でインターラーケンで乗り換え、グリンデルワルトに着いた。駅の周りには、アルプスの山の街といったかわいらしい建物が並ぶ。
学生時代、欧州に行きたいと思ったが金がなく、洋書店で買った欧州の列車の時刻表もながめていただけだったが、そのとき覚えた2つの駅にようやくたどり着いたという実感が沸いた。1992年、行ってみた。

欧州で最も高い所にある鉄道駅「ユングフラウヨッホ」を目指す。ユングフラウ鉄道に乗り込みグリンデルワルトを出発すると、最初は「アルプスの少女ハイジ」に出てきたような、のどかな草原が広がる。

欧州最高点の駅を目指す

どんどん高度は上がっていくので、街が小さくなっていく。車窓からはアイガー(3975メートル)、メンヒ(4017メートル)、ユングフラウ(4158メートル)といったアルプスの山々が峰を並べている。
風景に気を取られているうちに、クライネ・シャイディク駅に着く。山岳鉄道のユングフラウ鉄道に乗り換える。

待ち時間に駅周辺をぶらついていて、止まっている電車をふと見ると「OOTSU」と書いてある。大津? 何でも、電車の車両を滋賀県の大津市が寄贈したらしい。
ユングフラウ鉄道は、目の前にそそり立っているアイガー、メンヒにトンネルを通し、ユングフラウ直下の鉄道駅では欧州最高点3454メートルのユングフラウヨッホ駅に通じている。16年かけて1912年に開通した。

難工事だったという。2012年に100周年を迎えたが、この思い切った登山鉄道で、スイスの観光大国の地位が確立されたという。

のぞき窓からも絶景

発車して10分ほどでトンネルに入り、行程のほとんどは穴の中。途中2カ所の駅では、電車を降りてのぞき窓から外を見られる。
「アイガーバント駅」ののぞき窓は、アルプス3大北壁の1つ、アイガー北壁に開いている。下をのぞくと、高い! ほぼ垂直の壁の一端が見える。よくここを生身で登ってくるものだ。

終点に到着し、はやる気持ちそのままに、早足で展望台へ。ところが、どうも調子がおかしい。足に力が入らない。すぐに息が上がる。
日ごろの不節制は認めるが、それにしても…。空気が薄いため、こんな高地に足を踏み入れたのは初めてだけに、肺をはじめ体がびっくりしているのだ。

雄大な氷河の景色

それでも展望台へたどり着き、360度のパノラマ。目の前には氷河が広がる。アレッチ氷河は欧州最大級の氷河。この周辺の3つの氷河の総称になっている。2001年に世界遺産に登録されたので、この時はまだ未登録だった。

氷河をこうして間近に見たのは初めてだったので比較するものがなくてすごさがわからなかったが、確かに雄大な風景だった。ただ、展望台からみる氷河はアレッチ氷河の一部でしかない。

よく見ると、氷河の上を人が歩いて下山している。世界遺産に登録された後は歩いていいかどうかはわからないが。
氷河の周りには、アルプス屈指の山並みが続く。ユングフラウ、メンヒをはじめ、雪をいただいた山々が取り囲んでいる。

季節は初夏だったが氷河があるぐらいなので、それより高い山頂の雪は当然か。ふもとの街で長袖のセーターを買ってきてよかった。

しばし見とれていると、頭が痛くなってきた。休もうと思い、レストランに入る。そういえば、朝から何も食べていなかったので、牛肉のシチューのようなものを注文した。

高山病に注意

だが、口に入れてみても、味がよく分からない。頭痛はときおりゆっくりと襲ってくる。「これが高山病?」。もう1回、外へ出て、薄い空気でもいいやと深呼吸を繰り返し、雪をすくって顔を洗ってみた。
あまり景色に、興奮したのがまずかったのか。高山では、落ち着いて、ゆっくりと行動した方がよさそうだ。高山病は侮れない。
帰路は、ユングフラウ鉄道でクライネ・ジャイデックに下り、そこからヴェンゲン、ラウターブリュンネンを経由してインターラーケンへ出た。この路線の車窓も素晴らしい。

傾きかけた柔らかな陽の光を受けたアルプスの山々が青空にくっきりとそびえていた。

2001年登録

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