シラクーサとパンタリカの岩壁墓地遺跡(イタリア)

この洞窟は音響効果が高く、「閉じ込めた政治犯の話を上の穴から王様が盗み聞きしていた」(ガイド)という。その伝説からカラヴァッジョが洞窟に命名したそうだ。穴の形だけではなく、確かに耳になっていた。太宰治はこの「耳」のことを知っていたのだろうか。

公園のハイライト的な建造物は「ギリシャ劇場(Teatro Greco)」。現存する古代ギリシャの劇場の中で最も大きく、最も美しいとされる。曇り空で残念だったが、白い大理石で全体が造られており、日が差せばきれいに輝くかもしれない。

紀元前5世紀ごろに造られ、ヒエロン2世の紀元前3世紀に改築、拡張された。主に演劇や集会に使用され、最盛期は1万4000人を収容できた。9ブロックに分かれていて、身分によって席を決めていた。

半円形の舞台には、せり上がりの装置もあったそうだ。ローマ時代には、ローマふうの催し物に合うように改築されたが、7世紀以降はあまり使われなくなった。現在では、夏になると劇場として再利用しており、観客数は6000人という。

16世紀にオルティージャ島に要塞を築くために、劇場上部の石が持ち去られたため、高さが低くなっている。客席の段数も67段から46段に減った。座席にはギリシャ文字?が刻まれていたりするが、さすがに2000年以上経過しているので、風雨で大理石が浸食されていて、座ると凸凹して痛かった。

公園内には円形闘技場などの遺跡も残っている。今回いかなかったが、少し離れたパンタリカには、岩壁に穴をあけて墓を作った先住民のネクロポリス(墓地)がある。

シラクーサは、それまでは名前もよく知らない街だったのだが、来て、見て、歴史や由来などを聞いていると、これまで知っていたことと結びついて、親しみがわいてくる街だった。

2005年登録

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