古代都市テーベと墓地遺跡(エジプト) ナイル川東岸
ルクソール市街~カルナック神殿~ルクソール神殿
「テーベの都」というのは、古代エジプトを描いた映画などでよく登場する。現在のルクソール(Luxor)。エジプトの遺跡の中で、ギザ、アブ・シンベルと並んで壮大さを誇る。2006年、行ってみた。
中王国(紀元前2040~1785年ごろ)から新王国時代(紀元前1565~1070年ごろ)に栄えた都で、ナイル川(the Nile)をはさんで東岸と西岸に街がある。
東岸は「生者の都」の別名がある。
「アメン」という神を忘れずに
このあたりを見る上で欠かせないのが「アメン神(Amen)」という神で、有名なツタンカーメン(Tut-ankh-amen)の名前の後ろには「アメン」がついている。
アメン神は古王国時代はまだ小さな街だった、このテーベの神で、中王国時代にテーベの発展とともに、古王国時代からの太陽神ラーと合体して「アメン・ラー」という最高神になる。
なぜ合体したのか(させたのか)は分からないが、ファラオをはじめ統治する側に都合がよかったということだろう。
東岸には、かつて4つの神殿があったそうだが、中でも古代都市の象徴でもある大神殿が2つ、「カルナック神殿(Karnak Temple)」と「ルクソール神殿(Luxor Temple)」がある。カルナック神殿から行った。
カルナック神殿は、神を合体させたあたりからつくられ始めた。歴代ファラオが競うように塔門、祭壇、柱、レリーフ、オベリスク・・・などを新王国時代まで2000年近くにわたって次々と建てていったので、エジプト最大規模の神殿になったという。
カルナック神殿の中でも最大の「アメン神殿」の参道には、両側に羊の頭をしたスフィンクスがずらっと並んでいる。羊はアメン神の使いだという。
ファラオたちが競って立てた巨大な柱
第1塔門から大神殿に入ると「建設王」で目立ちたがりのラムセス2世の立像が次の門の両側にデーンとすえられている。
第2塔門を入ると、大列柱室。高さ15~20㍍、巨大な柱は134本立っているという。まさに林立だ。
最大で周囲15㍍にもなるという柱頭は、パピルスの装飾が施されているものが多い。梁の一部が残っているので屋根をつけてあったのだとしても、こんな太い柱を密集させる意味がないようにみえる。
多くのファラオがどんどん立てていったというから、これも一種の自己アピールなのだろう。柱にはきれいなレリーフが施されている。
さらに塔門をくぐって進むと、トトメス1世のオベリスク、その右には高さ約30㍍のハトシェプスト女王のオベリスクが空に向かって伸びている。このへんのファラオの名前も、覚えておくとエジプトでは便利だ。
大神殿の周囲にコンス神殿、ムート神殿などがあり、合わせてカルナック神殿という。
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