古都奈良の文化財(日本) 春日大社

一位橋から本殿

中門を過ぎたあたりで、後ろの庭を振り返って見よう。「林檎の庭」という、神楽などを奉納する庭があり、その角に大きな杉が立っている。鎌倉時代の「春日権現日記」に幼木で描かれているというから樹齢800年は超えている。

渡り廊下を通って「移殿(うつしどの)」に行った。859年創建で「仮御殿」ともいう。本殿の4柱の神が、20年に1度の造替中はここに鎮座している。

移殿

普段は御本殿がある内院は、皇族や神職以外は入れない。神がこの移殿に遷座した後、神がいなくなった御本殿を特別公開したというが、移殿に鎮座している時が最も4柱の神に近づけるということにもなるのだろう。中は撮影禁止。手を合わせてきた。
移殿の裏手に出て、奥に進むと「多賀神社」(延命長寿の神)の社を経て「藤浪之屋」という看板があった。特別拝観で扉が開いていたので入って見た。中は真っ暗で、明かりを入れた燈籠が無数に下げられている。幻想的な雰囲気だ。

藤浪之屋の内部

春日大社には、さまざまな人から奉納された燈籠が約3000基あるという。中門の周りで見てきたように、いたるところにぶら下がっている。
仮御殿裏の「清浄門」から御本殿の外に出た。いったん南門まで戻って「若宮15社めぐり」へ。「若宮神社」を1番目として、15の社を巡る。

若宮神社

「知恵を授ける」「子孫繁栄」「金運」「衣食住」…15の社では、人生で起こるさまざまことを守ってくれる神が祀られている。時間がある人は全部、ない人は自分に関係ありそうな社だけでも手を合わせてくるのもいいだろう。

若宮社御利益図

春日大社の背後には、立ち入れない神域の「春日山原始林」があり、世界遺産に登録されている。帰りは表参道をバス停まで戻った。周りには春日大社に関連した建物が並んでいたので、寄り道しながら歩いた。

酒殿

手元に残った2種類の限定朱印

2018年、また近くでの仕事の帰り、3時間ほどあったので春日大社にきた。今回はJR奈良駅からバスで「春日大社本殿」行きのバスがあったので乗り、降りたところにある「国宝殿」を見に行ってみた。2016年に来たときは宝物館から国宝殿への改修工事中で見られなかった。入館料は500円。
甲冑や刀など、春日大社に奉納された美術工芸品が主に展示されている。収蔵する国宝は352点という。源義経、楠木正成といった悲劇の名将の鎧も奉納されている。
ちょっと時間が残ったので、南門をくぐり、中門をのぞいてみた。やはり、晴れた日は式年造替の終わった朱色が鮮やかだ。


2016年に朱印をいただいたのを忘れていて、また朱印をいただいてしまった。帰宅して比べると2016年は「第六十次造替」、2018年には「創建千二百五十年」と記された別の朱印が押されていた。限定朱印だったようだ。

1998年登録

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