オリンピア(ギリシャ)

ゼウス神殿ゼウス像想像図

博物館には、神殿外側の上部壁面(破風)を飾っていた彫刻も復元されて展示されている。相当立派な神殿だったとわかる。東側の破風には、神話ではオリンピックの起源ともなったオイノマオス王とペプロス王の戦車競技の場面などが描かれていたという。

ゼウス神殿東側破風の彫刻。中央の首のない像はゼウス像とされる

西側の破風には「ケンタウロスとラピタイ族の争い」などがテーマで、中央にはオリンピックを始める神託をした「アポロン」が立っている。奇跡的に顔が完全に残された。

ゼウス神殿の横には「ニケの像」が立っていた基壇が残っている。ニケはギリシャ神話の「勝利の女神」。これを見て選手は奮い立ったのだろうか。


オリンピア博物館に基壇の上にあったとされるニケ像があるので見て帰ろう。残念ながら顔は残っていない。ちなみにニケの英語読みはナイキ。世界的なシューズメーカーの名前になっている。

博物館のニケ像

古代競技者と同じフィールドを走る

ニケ像を過ぎると、いよいよ「スタジアム」に入る。「反響廊」という細長い建物に沿って歩いていくと、石のアーチの入口がある。


細い通路を行くと、細長いグラウンドに出る。ここがスタディオン走など現在の陸上系の競技が行われた。


スタディオンは当時の長さの単位で、地域によって少し違うが、オリンピアでは1スタディオン=192.27㍍。当時のものかはわからないが、スタートの位置に細い2本の溝がある大理石が埋められている。


ここに来たほとんどの人が、このスタートラインに立ち、当時やっていただろうと思われる、2本の溝につま先をそろえて、上半身は「クラウチングスタート」でスタジアムを走っていく。私も30㍍ほど走ってきた。2004年のアテネ五輪では、ここで陸上の砲丸投げ種目が行われた。

聖火を灯す最古の神殿

スタディオンを出て、宝庫群や祭壇跡などを見て行く先に、いよいよ「ヘラ神殿」が見えてくる。「オリンピック聖火」が灯される神殿。2020年東京オリンピックの聖火は、2020年3月12日にこのヘラ神殿で採火された。
オリンピックに聖火を灯すのは古代オリンピックでも行われていた。ガイドブックなどによると、プロメテウスがゼウスから火を盗んで人間に与えたというギリシャ神話に基づき、ゼウスへの感謝の意味でゼウス神殿やヘラ神殿に火を灯していたという。

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