白神山地(日本)

そこから引き返したが、下りの方がちょっと怖かった。所要時間は片道1時間強。3つ見ると、けっこうな山歩きになる。

暗門第1の滝

 

引き返してANMONを後にし、津軽峠にあるマザーツリーを目指す。駐車場が小さく、通りすぎてしまいそうだった。今は整備されているだろうか。5分ほど歩くと、樹齢約400年、幹周り4・65メートル、森の「主」に出会える。

さすが、マザーツリーの風格

巨木の風格、見上げたときの枝ぶりの見事さ。知らず知らずのうちに、うなっていた。日本中にあるこうした巨木はなぜか気持ちを落ち着かせてくれる。

根元は根の保護のため、ロープで囲われており、歩くところは地面に触れないように板敷きになっている。

保水力があるブナは、葉で受けた雨が幹を伝って根元に落ち、それを根が吸い上げ、水を循環させている。だから、根元は大切だ。幹に耳を当てると水を吸い上げる音が聞こえるという。

周りにある近寄れるブナの幹に耳を当ててみたが、聞き取れなかった。別な木でもやってみたが、やはり聞こえずじまい。大きな木じゃないとだめなのかもしれない。

 

マザーツリーの根元は保護されている

 

暗門の滝やマザーツリーのほかにも、日本の滝100選に選ばれた「くろくまの滝」や、ブナ林をめぐるたくさんのトレッキング道や、気軽の歩ける散策道などがあるので、ビジターセンターやHPでの情報収集をしたい。

白神岳はじめ入山が制限されている核心地域を見渡せる展望所など、立ち入れる場所は随所にある。

白神ラインからは主峰白神岳はじめ白神山地の山が見られる。ただ、観光地としては当時はまだ十分整備されていなかったが、それがいいのかもしれない。

白神ラインは道幅が狭く、未舗装の砂利道が大部分だった。10年以上前のことなので今の道の様子は分からないが、曲がりくねった山道で移動には距離以上に時間がかかった。旅程には注意が必要だ。

2018年9月、悲しいニュースを目にした。関西空港はじめ各地に大きな被害をもたらした台風21号が日本海を北上。この白神山地も暴風雨に見舞われて、マザーツリーが地上9メートルの幹部分から折れて、上部が落下してしまったという。それでも生きて立ち続けていたが、樹勢は衰えていたという。2024年5月27日、東北森林管理局津軽森林管理署は、樹木医が枯死と診断したことを発表した。残念ながら、マザーツリーの姿はもう見られなくなった。

1993年登録

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