歴史的城塞都市クエンカ(スペイン)
街の中に入る。「マヨール広場」というのが街の中心にある。ここには「クエンカ大聖堂」や「市庁舎」など、主要な建物が広場を囲んでいる。
クエンカ大聖堂は13世紀半ばにモスクの跡に建てられたゴシック様式の建物で、広場に面している立派なファサードは20世紀になって造られたもので、未完成だという。聖人像は1つあるが、たぶんファサードの一番上に飾られるキリスト像やマリア像もまだなかった。
市庁舎は18世紀のもの。修道院や教会が多く、中世の街並みふうなのだが、比較的新しいもののようだ。マヨール広場の周囲は瀟洒な建物が軒を並べている。
街の奥に進むと、廃墟のような遺跡に出る。時計塔がまだ立っているが、かつてのユダヤ人街で、いまは街を見下ろす展望台になっている。
ここから崖の端にずらりと並ぶ建物が一望できる。こうして見ると、崖の縁にずらりと並ぶ建物が、城壁の役割を果たしているようにも見える。
旧市街をブラブラと歩いて戻る。神学校や教会などが路地に並んでいる。石畳の道、崩れかけた建物、この街の歴史が路地に詰まっている。
「配線通り」と名づけられた、電気などさまざまな配線が通っている道もある。建物は外壁を彫刻で飾るなど、きれいなものが多い。高くても4、5階、高層なものは見なかった。
さりげなく立っている教会や修道院の外壁の彫刻などを眺めながら、崖下へ。もう一度、奇妙な都市を見上げてみた。
1996年登録
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