古都奈良の文化財(日本) 薬師寺・唐招提寺


一度焼失したが、1285年に再建され、今は国宝「聖観世音菩薩」が置かれている。こちらも窓が開いていたので、外からもお顔を拝めた。


西塔は赤と緑(青)の色遣いが鮮やか。「あお(青)」と「に(丹=赤)」で「あおによし」と歌われた奈良、白鳳時代の色なのだという。


東塔にはそんな色が残っていなかったのは、長い年月の間に色はなくなり、修理などで白壁になっていたからだという。
西塔は1528年の兵火で焼失した。次こそは、東西の塔がそろっている姿を見たいものだ。ぐるっと回って南門にでた。確か、前はここから入ったと記憶している。


薬師寺伽藍をでて、西ノ京にもう1つある世界遺産の「唐招提寺」に向かって歩いていく。途中に「玄奘三蔵院伽藍」と、平山郁夫画伯の壁画を飾る「大唐西域壁画殿」がある。薬師寺のチケットに入っているのでせっかくだから寄った後に、唐招提寺へ向かった。

唐僧鑑真を招いた寺

入口をはいってすぐに「国宝金堂平成大修理」のパンフレットにドキッとしたが、2009年に終了していた。ホッとして参道に入り「金堂」に向かって歩いた。
よく知られる鑑真和上が759年に道場として創建した。鑑真和上は唐の高僧で日本からの招きに応じたものの、航海に5度失敗。失明したが、苦難の末に6度目で来日を果たした話は有名だ。井上靖の「天平の甍」で知っている方も多いだろう。
1976年に一度見ているが、38年ぶりに目の前に現れた金堂はたぶん、修理を終えてきれいになったのだろうか。当時との違いまではよく分からないが、こちらは東大寺と並ぶ「天平建築」の傑作とされる。


金堂の右手から回り込んでいくと、国宝の宝庫になる。「鼓楼」は鎌倉時代の1240年に再建された建物で仏舎利を安置している。

唐招提寺鼓楼(左)

「講堂」は唐招提寺創建に当たって平城京から移築した建物で、現存する唯一の宮殿建築だという。


「宝蔵」「経蔵」は創建前からあった建物を改築したもので日本最古の校倉造り。38年前にはあまりよく分かっていなかったが、あらためて来てみると気づかされることは多い。

唐招提寺宝蔵(右)と経蔵

帰りはバスもあるが、西ノ京駅までブラブラ歩いた。ゆっくり歩いても15~20分ほど。3月中旬、梅が満開だった。

1994年登録

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