ピサのドゥオモ広場(イタリア)
フレンツェ~ピサ~斜塔~大聖堂
「ピサの斜塔」( Torre di Pisa)といえば、世界中の人が認める奇妙な建物の代表格だろう。ガリレオ・ガリレイとの関係も有名だ。1991年、行ってみた。
「斜塔」のある街へは、フィレンツェから半日のバスツアーで行った。電車でも1時間ぐらいで行けるという。
傾いたから貴重な建物に
このピサのドゥオモ広場というのは、斜塔のみがクローズアップされて周りに何があるかよく分からないが、メーンは大聖堂(ドゥオモ、Duomo)。その隣に建てられた鐘楼が、通称「ピサの斜塔」だ。
日本でいえば、お寺の本堂の脇にある「鐘」をつるした鐘撞堂といったところ。大聖堂の付属の建物だが、傾いたおかげでこちらの方がよく知られるようになった。
1173年から建設が始まったが、4階まで造ったところで傾き始めたという。原因は地盤沈下。塔の底面に硬いところと軟らかいところがあったらしい。
その後、まっすぐにしようと設計変更もされたが、修正できなかった。当初は高さ100㍍の予定だったというが、1372年に完成したときは、高さ55㍍と予定の半分ぐらいになってしまった。
駐車場から街中を通って歩いていくと、路地から斜めに傾いた塔が見えてくる。確かに周りの建物と比べても「変な」建物だ。
最上階だけは地面に垂直に建てられているので、なんだか上と下でバランスが悪く見える。傾きを止めるのをあきらめて、斜塔を「売り」にするために、危なっかしく見せる演出だったとしたら、なかなかの発想だ。
斜塔と言えばガリレオ
斜塔を世界的に有名にした逸話が、ガリレオの実験。重さの違う石を落としても同時に地面に着くという自由落下実験をした場所として知られる。
その後も年々傾きを増し、行ったときは傾きを止めるための工事が行われていた。せっかく大小の石を拾っておいたのに、残念ながら塔に上れなかった…。
2001年に工事は終了して、いまは人数制限があるが上れる。報道によると、今後300年は持つというので、これから行こうと思っている方は心配無用だが、石はやめよう。
大理石でできた、白い塔は青空にはえる。メーンの建物、ドゥオモの白さも鮮やか。柱とアーチを組み合わせた外観も美しい。
ドゥオモの中に入る。写真が残っていない理由を記憶していないのだが、暗くてだめだったか、撮影禁止だったのかもしれない。残っている写真も当時のネガフイルムの管理不行き届きで不鮮明なのは御勘弁を。
薄暗い中に光るランプの揺れから振り子の法則を発見したという「ガリレオのランプ」。どうやら、ガリレオはここピサでいろんなことを見つけたらしい。後世のねつ造という説もあるが、そう思って見ると、そのランプが実際のものかはわからないが、特別なものに見えてくる。
さて、その大聖堂の前にある広場。斜塔と反対側にはドーム状の「洗礼堂」があり、芝生がきれいに刈りそろえられ、寝転ぶにもちょうどいい。
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