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北海道・北東北の縄文遺跡群(日本) 御所野遺跡・伊勢堂岱遺跡・大湯環状列石(秋田・岩手県)

ストーンサークルはパネルの写真で我慢する。

道路建設の際に見つかったストーンサークルは、発見順にABCDとついている。Aが直径約32メートル、Bは弧状で、Cは45メートルと大きい。道路建設を中止して保全することになり、36メートルのDも見つかった。4つのストーンサークルが同じ場所にあるのは日本で初めてだという。

石は米代川など周辺の川から運んできているという。写真を見る限りは角が取れた丸みのある石が多いので、河原からもってきたのだろう。

サークルの周囲には掘立柱建物、石の下には土坑墓という墓があったという。また、土偶や土器なども周辺から多数発見されており、祭祀に使われていた

とされる。

実は、伊勢堂岱には同年8月にも近くで仕事があったので「もう雪はないだろう」と、リベンジに行ってみた。今度は駐車場も入口にチェーンが渡され、封鎖されていた。張り紙には「熊が出没したので見学できません」とのこと。思わず周囲を見渡した。

石が密集したストーンサークル

伊勢堂岱では見られなかったが「ストーンサークルならこっちだ」と気を取り直して「大湯環状列石」に車で向かった。鹿角市にある。20年ほど前に一度行ったことがあるのだが、傘もほとんどきかない豪雨に見舞われて、見学もそこそこに、退散した経験がある。2度目の挑戦だ。

ところが…。

道や街には雪がなかったのだが、駐車場に車を入れて、周囲を見ると残雪が残っている。ストーンサークルはもちろん屋外にあるので、雪に隠れているかもしれない。ざっと見に行くと、それほどではないが、残雪で隠れているところも見えた。

いい天気だったので、少しでも溶けるようにと、先に「大湯ストーンサークル館」に入る。ここで少し下調べする。

大湯では縄文時代後期(約4000年前)の2つのストーンサークルが見つかっている。「野中堂環状列石」「万座環状列石」で、その周辺と合わせた大規模な遺跡だ。

HPや説明書きによると、野中堂環状列石、万座環状列石は、石を様々な形に組み合わせ、二重の環状になっているのが特徴だという。野中堂環状列石は最大径44メートル、万座環状列石は最大径52メートルとかなり大きい。

サークルの中から墓が見つかっており、「配石墓」というらしい。ストーンサークル全体が「集団墓」の可能性が高いという。祭祀用の土器や石器なども発見され、サークルを取り囲むように掘立柱建物の遺構などもあるため、葬送などの祭祀のための施設とされている。

残雪の上を慎重に歩きながら、まずはサークル館側にある万座環状列石を見に行った。サークルの周囲には掘立柱建物が復原されている。

 

ストーンサークルの全貌は見られなかったが、大体顔を出してくれていた。けっこう石が密集している。前回来たときは豪雨でほとんど見られていないので、あらためてみるとやはり石を並べるのに意図と執念みたいなものを感じる。

特に、細長い石を立てた石組みは雪の上に顔を出していた。こうした石組みを「日時計状組石」というそうだ。確かに日時計のような感じだが、サークル内にたくさんあるので、そんなに日時計は必要ないだろう、何か違う目的があったのでは、と思った。

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