原爆ドーム(日本)

細い鉄筋らしいものが壁や柱から突き出している。地面に散乱しているがれきは、建物の一部だったのだろう。ぐるっと1周できるので、ぜひじっくり見ながら回ってみよう。

建物は、1953年(昭和28)広島市に譲渡され、55年に広島平和記念公園が完成、原爆ドームはその中のシンボル的存在になっていたが、存続と取り壊しの論議が続いていた。66年に広島市議会が原爆ドームの保存を決議。建物は風化が進んでおり、国内外での募金で大規模な保存工事が行われてきている。

世界遺産の中には原爆ドームのような「負の遺産」と呼ばれるものがいくつかある。ナチスドイツの「アウシュビッツ収容所」や、南アフリカの政治犯収容所のあった「ロベン島」などがそれにあたる。

「人類が2度と同じ過ちを犯さないように」という戒めを込めている。その上で、原爆ドームは「核兵器廃絶と世界平和の実現」という未来へのメッセージを伝えている。

 

1996年登録

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