アマルフィ海岸(イタリア)
ナポリ~アマルフィ海岸~アマルフィ
映画や歌の舞台になった、美しい海岸線がナポリの近くにある。「アマルフィ(Amalfi)」という名前からしておしゃれな響きがする。2017年、行ってみた。
ナポリからツアーバスで40分ほど、バス1台すれ違うのがやっとというようなところもある峠道を越えて、ナポリの南にあるソレント半島を越えると、青い海ティレニア海が広がる。アマルフィ海岸(Costiera Amalfitana)だ。
断崖と青い海が織りなすコントラスト
車窓の風景、さすがに世界遺産になった海岸線だけのことはある。切り立った崖を縫うように走るクネクネとした道路から見える青い海と、さまざまな表情を見せる断崖が織りなすコントラストにくぎ付けになる。
ところどころに小さな街、集落が点在しており、いずれも崖にへばりつくように、家が建っている。
アマルフィ海岸は、ナポリ民謡をエルビス・プレスリーが英訳して大ヒットした「帰れソレントへ」で有名なソレント(Sorrento)という街から、サレルノ(Salerno)という街までの約30㌔ほどの海岸線をいう。
これから行くアマルフィや、ソレント、サレルノはじめ、中世には海洋都市国家が多く存在していた。アマルフィへの途中でいったん停車、展望所のようなところから、街、海、断崖のコントラストの風景を見られる。
1000年以上の歴史を持つ街
アマルフィ海岸の中心地、アマルフィに着く。ちょうど入り江になっている場所なのだろう。それまで通り過ぎてきた街はほとんど「土地」がなかったのに比べて「けっこう広い平らな所もあるんだ」と思った。
駐車場から旧市街に行く。海岸沿いの道路にサークルがあって銅像が立っていた。フラビア・ジョイアという羅針盤を発明した人の銅像だという。
建物の1階部分にトンネルがあって、門になっている。狭い土地なので、建物と道を融合させているようだ。街を歩くと、こうしたトンネル付き建物がいくつかあった。
門の横の壁にはタイルの海図がある。かつてのアマルフィ共和国(公国)の勢力圏だった地中海を表す地図だろうか。
アマルフィは9世紀にナポリから独立。イスラムとの対立を制し、11世紀に海運などの海洋国家として最盛期を迎えた。12世紀から衰退、14世紀には嵐で街の大半が破壊されたという。
「海の門(ポルタ・マリーナ)」をくぐると、旧市街に入る。すぐ前にあるのが「ドゥオモ広場」。階段の上には「聖アンドレア大聖堂(Duomo di Sant’Andrea)」が建っている。
ドゥオモは元々アラブ・ノルマン様式という、シチリア島の大聖堂で見たものと同じ建築様式で9世紀ごろに建てられたという。何度も改修されたが、イスラムの影響があるので、ファサードや壁面も幾何学模様とモザイクで飾られている。街の守護聖人聖アンドレアに捧げられている。
日曜日で何かあったのだろうか、残念ながら中に入れなかった。内部には大理石を使った豪華な祭壇やフレスコ画などがあるという。「天国への階段(Chiostro del Paradiso)」という中庭もある。イスラム様式のアーチの柱が並んでいるという。外の廊下もきれいなアーチでできている。
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