ビンベットカの岩陰遺跡群(インド)
「Rock Shelter8」は、大きな岩の上の方に空いた岩窟の天井に、赤でたくさんの岩絵があった。ズームしてみると、武器をもって馬に乗る人たちだった。「アショカ王の時代(2300年前)のものとされます」(ガイド)という。
「Rock Shelter10」の岩には、黄色と白の顔料で描いてある。「果物と馬の絵です」とガイド。果物は色からいって柑橘類か。
白い象の絵も。確かにインドには象がいる。ガイドによると「ここには1万年前から300年前ぐらいの絵が残っています」と、相当長い期間にわたって、ここの岩窟は「キャンバス」になっていた。。
シェルター番号通りの順路は気にしないで、近そうなところから行く。「Rock Shelter15」は「コブラ岩」とも呼ばれているそうだ。確かに。
「大きな動物が描かれています」という。コブラののどの当たりに赤い絵。牛と思ったが、よく見ると牛の前に小さな人がいて、追われて逃げている感じだ。比率が確かなら相当大きな牛だ。
記録として残す意味があったのか
岩絵はくっきりと残ってはいるのだが、白い絵の場合や、岩の汚れなどもあって最初は見つけにくかった。だんだんとコツを覚えてくると、すぐに見つかるようになる。「Rock Shelter12」には、鹿や猿、牛などにぎやかだ
同じ赤系の色でも、くすんでいるのとくっきりしているのがある。「時代が違います。同じ場所に、違う人たちが重ねていったのでしょう」とガイド。ここまで見てきた絵の感じからいうと、より写実的になっている方が新しい時代らしい。技術の進歩だろう。
「Rock Shelter11」は、白い岩絵。意味が分からないが線がたくさん描かれていたり、馬に乗った人も見られる。
「戦争の場面が描かれています」とガイドが示した。武器らしいものを持った人がたくさんいる。絵はその時の生活やその手法の継承、出来事の記録的な意味もあったと思える。
「シェルターは15までが公開されています」とガイド。15まで入ったので、戻りながら見て行く。「Rock Shelter9」には「木と鳥」が描かれていた。
「Rock Shelter7」には、馬の乗った人が躍動感たっぷりに描かれている。
「Rock Shelter6」はこれまでとは違ったシーンが。「みんなで踊っているところです」とガイドが言うように、手をつないで踊っているように見える。
そろそろ元の入口(出口)が近くなってきた。また、トンネルを抜けて、当時の家族の像のシェルターにでる。気づかなかったが「Rock Shelter2」とあった。
このビンベットカの岩絵は、インド人によって1957年に最初に発見された。「人骨がたくさん出て来たそうです。1000人ぐらいの集落があったとされます」とガイド。今は荒涼としている感じだが、岩絵を見る限り、豊かな土地だったことが分かる。
広大な土地にまだ岩絵が発見されていないシェルターがたくさんあるという。「新しいのを見つけてはどうですか」とガイド。その気になって、ナンバーが打たれていないシェルターをいくつかのぞいてみた。
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