ヴァチカン(バチカン)市国 ヴァチカン(バチカン)美術館


ここまで約3時間。歩き通しだった体を少し冷まそうと、入口に近い中庭に出た。噴水のある空間でちょっと休憩。日があるうちにサン・ピエトロ大聖堂の大クーポラに上ろうと思っていたので、2時間ぐらいで見られる次の場所を検討した。


行くのは2つ。「ピナコテカ(絵画館、Pinacoteca)」と「ピオ・クレメンティーノ美術館(Museo Pio-Clementino)」。
入口右手にある「ピナコテカ」に入った。写真撮影はOKだったが、フラッシュ禁止で総じて暗いので少し難しかった。サン・ピエトロ大聖堂で見た「ピエタ」のレプリカ、古い祭壇画などが続いている。「ジョットの祭壇画」には、逆さで磔になって殉教した聖ペテロが描かれている。

ピナコテカ・ジョットの祭壇画

人だかりのある広い部屋。ラファエロの3作品が展示してある。ラファエロ最後の作品「キリストの変容」を真ん中に、左に「フォリーニョの聖母」、右に「聖母の戴冠」の3つ。なんとも豪華だ。

ピナコテカ・「フォリーニョの聖人」「キリストの変容」「聖母の戴冠」(左から)

中でも「キリストの変容」は預言者モーゼ、エリアに伴われて昇天するキリストを描いたラファエロの傑作とされている。

ピナコテカ・「キリストの変容」ラファエロ

部屋の反対側には「最後の晩餐」のタペストリー。まだミラノにあるレオナルド・ダ・ビンチの「最後の晩餐」は見ていないので、これで雰囲気だけでも。


そのダ・ビンチの絵画は「聖ジローラモ(聖ヒエロニムス)」。未完だったという。荒野でけがをしたライオンを治したという話を描いている。

ピナコテカ・「聖ヒエラヌムス」ダヴィンチ

他にも名画が多数ある。ゆっくりと見て回ったら相当な時間がかかるだろう。少し急ぎながら目に収めた。

紅白大理石の彫刻が並ぶ美術館

ピナコテカを出て、エジプト美術館を通り過ぎ「ピオ・クレメンティーノ美術館」へ。ここには「八角形の中庭(ベルヴェデーレの中庭)」があり、それを囲む回廊に古代ギリシャ、ローマの彫刻が並べられている。
まずは「ペルセウス像」。ギリシャ神話の英雄で、目が合うと石に変えられてしまうメドゥーサを退治してその首を掲げている。


古代ギリシャの傑作の1つが「ラオコーン像」。トロイ戦争のころ、女神アテナの怒りをかった神官ラオコーンが女神の放った2匹の蛇に息子たちとともに絞め殺されるというシーンを切り取っている。躍動感あふれる彫刻だ。

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