
エローラの石窟群(インド)
が祀られたナンディ堂.jpg?resize=650%2C488&ssl=1)
人気のナンディを祀るナンディ堂
宗教の盛衰を映し出す石窟群
先に行ったジャイナ教窟でも少し時間がかかったので、ヒンドゥー教窟は第16窟だけしか見なかった。少し離れた北側には第21窟など彫刻がきれいな窟もあるというので、時間がある方はそちらにも回ってみては。シヴァ、パールヴァティー、ヴィシェヌなどの神々の彫刻が残されているという。
ただ、ヒンドゥー教窟の中で道が整備されているのはカイラーサ寺院の第16窟から仏教窟につながる第13窟まで。先に見たジャイナ教窟と仏教窟は道が整備されている。そのほかのヒンドゥー教窟は山道やう回路を使う必要があるということなので、足元と時間に注意を。

エローラに共存していたのは3つの宗教。最後に見たのが仏教窟だが、この地で最初に石窟寺院として造られた。アジャンターから移ってきた職人が6世紀ぐらいから造り始めたとされている。
から見た第9~1窟(右へ).jpg?resize=650%2C183&ssl=1)
崖に並ぶ仏教窟
仏教の衰退によってヒンドゥー教窟、ジャイナ教窟と移り変わっていく。宗教にもはやりすたりがあるということだが、壊したり、造り変えたりしない宗教・思想に寛大だった、当時のこの地域の人々の様子がうかがえる。
一番遠い第1窟までさかのぼっていくことにした。第13窟まではヒンドゥー教窟で、第12窟~第1窟が仏教窟になる。「ここが一番きれいです。12のうち11は僧院で、ここだけ礼拝堂になっています」とガイドに言われて第10窟に入ってみた。
.jpg?resize=650%2C488&ssl=1)
仏教窟第10窟
確かに入り口の上を飾る彫刻類も見事なもの。中に入ると、クジラの骨格標本の中に入ったような感覚になる。
天井の柱のデザイン、どこかで見た感じがするのは、アジャンター石窟寺院のチャンティヤ(礼拝堂)が似たような天井の装飾だった。当時はこのデザインが主流だったのだろうか。

奥に仏陀の像が置かれている。といってももちろん、別に作った置いたのではなく、岩山を削りだしたもの。椅子に座って足を少し開いている姿は、これもアジャンターにあった像と似ている。
ガイドブックによるとここは「大工の石窟」と呼ばれているそうだ。仏陀の後ろにはストゥーパ、天井の彫刻もアジャンターのものと似ていて、移ってきた職人の手によるものというのは本当だろう。完成度も高い。

未完成のままの石窟が並ぶ
そこから先はガイドが「自由に行ってきてください」というので、1人で歩き出した。窟を結ぶ道には「第〇窟」という白い字と矢印の表示がされているのだが、なかなかわかりにくい。窟の入り口に「第〇窟」と書いてあるものとないものがあるので、これもわかりにくい。
第6~9窟は密集していて、どれがどの窟なのかよくわからなかった。たぶん、第6窟から入った。入口の彫刻はきれいだ。

仏陀の像が置かれ、そのほかには多少の彫刻はあるのだが簡素。僧院だけのことはある。

2階に上がって外に出たら第9窟と書いてあった。あれ? どうやら中でつながっていたらしい。外側にある彫刻が印象に残った。柱などは未完成らしい。

第5窟は「僧侶の学校」と書かれていたが、なんとなく教室風だ。第4窟はわからず、第3窟は入り口に彫刻が施されて、中にはやはり仏陀像。第2窟は崩れそうなのか、立ち入り禁止だった。
この記事へのコメントはありません。