イグアス国立公園(アルゼンチン・ブラジル)

滝つぼに突っ込む

遊歩道で眺めるだけではすまさないところが魅力でもある。滝を上と下から見ること、味わうことが出来る。
1日目に行ったのはボートツアー。乗り場の受付所に行くと、モニターで放映しているのが、森の神ジャガーがこの受付所周辺に現れて防犯カメラで撮影された姿。「この柱のところを歩いていたのか」と、妙に感心する。
そこから車で川のほとりへ。トイレや更衣室などがある小屋があるので、一応ジーンズを脱いで海パンに着替えた。Tシャツは乾きやすいものを着ていたので大丈夫と高をくくったが、後で失敗したと分かる。
20人ほど乗れるボートに救命胴衣をつけ、前から2列目に乗り込み出発。「滝のすぐ下に行くので面白い」とは聞いていたが、想像以上の楽しさがあることに後で気づく。


滝が見えてきて、いったん記念写真撮影用に停船。その間に、水先案内人がフードつきのカッパを着込む。こちらもカメラを防水カバーに入れた。いよいよ滝に接近する。
滝の下だから相当の水しぶきだろう。と思ったら、いきなり、滝の中にボートがへさきを突っ込み始める。滝の水が流れ落ちるところにボートを乗り入れていき、小刻みに前進、後退を繰り返す。


しぶきではなく、滝の水がそのまま襲ってくる。水圧に負けそうになりながら、カメラを向けてシャッターを押したが、揺れ動くわ、水をかぶるわで、大変。何度も違う滝に行っては、それを繰り返す。


最後にけっこう大きな滝に突っ込んだときは、もう慣れていて、ずぶぬれもあきらめて、なぜか大笑いが出る。何とか写っていた滝つぼに突っ込んだ時に撮れていた写真があった。そのとき、船はどういう状態だったのかは分からない。


ブラジル側のボートツアーだったので、このぐらいで済んだらしい。アルゼンチン側だと、悪魔ののど笛に突っ込むのがあるというので、もっと覚悟していったほうがいい。
また、いやおうなしに、少し茶色に濁っていたイグアス川の「生水」を飲んでしまうので、こちらも覚悟を。ただ、おなかは壊さなかった。
水が滴り、重くなったTシャツは絞ってまた着たが、しぶきと違ってすぐには乾かないので、着替えを持っていくほうがいい。

上空から見る大いなる水

翌日はヘリコプターツアー。今度は空から滝を見る。数機のヘリコプターが客を乗降させては、離発着を繰り返すぺリポート。1機に4~6人ぐらいが乗れる。待合室で30分ほど順番待ちをして乗機した。


イグアス川の上を通るようにヘリは飛ぶ。眼下には、イグアス川と周辺に広がるジャングル。前日のボートツアーの様子も見える。ほどなく、滝が見えてくる。


ヘリは時折旋回しながら、左右の座席の人が公平に見られるように飛んでくれる。思ったより高空で、迫力はあまり感じないが、地上から見た悪魔ののど笛をはじめ、イグアスの滝全体が見られる。


イグアスの仕上げとしては、十二分の満足感がある。滝は水量の多さから滝口が削られて年数㌢ずつ後退しているというのもうなずける。


機を降りると、フッとため息が出た。ヘリコプターツアーは騒音で周辺の動物への影響があるということで、航路や高度を以前と変えているそうで、いまはかなり上空を飛んでいる。


確かに自然遺産の中にヘリの音は異質で申し訳ないと思ったが、景色としては圧巻。滝ざんまい、充実感に浸れるのは間違いない。

1984、86年登録

  1. この記事へのコメントはありません。