カトマンドゥ盆地(ネパール)

美の都、最古の街パタンへ

カトマンドゥ盆地にはかつて、3つの王国があった。一番古い都はパタンで299年にたてられたと言われるが、紀元前250年にインドのアショカ王が既に4つの仏塔を建てていたといわれる。
中世のマッラ王朝時代にバクタプル王国からカトマンドゥ王国、パタン王国が分かれた。ネパール最古の街という「パタン」( Patan)は「ラリトプル(美の都、Lalitpur)」とも呼ばれる。次はパタンに行ってみた。

旧王宮ダルバール広場には16~18世紀に建てられた建築が多数残っていた。右手にはスンダリ・チョーク、ムル・チョーク、タレジュー寺院、ナラヤン・チョークと王宮関連の建物が並ぶ。
チョークというのは中庭を囲む建物のこと。左手には仏教、ヒンドゥー教の寺院が建ち並ぶ。大きな建物でいうと、石造のチャシン、ハリシャカール、ジャガナラヤン、石造のクリシュナ、ヴィシュワート、ピムセンの各寺院が並んでいる。


特にクリシュナ寺院は有名らしく、2階にマハーバーラタ、3階にラーマヤーナとインドの叙事詩が刻まれている。仏陀も祀られているというから、ネパールらしい寺院だ。建物の前には柱の上にヴィシェンヌ神の乗り物・鳥人ガルーダ像が載っている。


広場を出て「ゴールデンテンプル」へ。門をくぐるとき、ガイドが「上を」というので見上げると、精緻な曼荼羅が描かれていた。「ヒラニヤ・ヴァルナ・マハヴィハール」というのが正式名で12世紀創建の仏教寺院。社殿などが金色に飾られているが、修復工事中で全容は分からなかった。


奥に安置される黄金仏は普段はダイヤなどの宝石で飾られていて見ることはできないそうで「いまは修理中で宝石を外してあるので見られます」とガイド。パタンの仏教寺院の総本山でもあるという。

9000体の仏像で飾られた塔

「マハボーダ寺院」は16世紀創建の3000体仏で飾られた寺院。アンコール・ワットの塔のようなつくし状の形で、細かい彫刻が全面に施されているように見えたが、彫られたところに小さな仏像が置かれている。実際には9000体あるという。

途方もない作業だったと思われるが、さすが美の都。芸術への誇りを感じる。現在の寺院は1934年の大地震後に再建されたものだった。


少し離れたところに「クンペシャワール寺院」という、パタン発祥の地に立つ1392年創建のヒンドゥー寺院で五重塔がある。寺院前の広場の一角にある井戸の水は、ヒマラヤのあるヒンドゥー教の聖なる湖ゴサインクンドから流れてきていると信じられている。井戸の前ではたくさんの人がいて、ダサインの供物になった水牛を解体しているところだった。たぶん、この水で清めるのだろう。

女神の化身「クマリ」に会う

パタンの締めくくりは「クマリに会いましょう」。タクシーでクマリの館へ。街中の普通の民家に「Living Goddess」の看板。カトマドゥのクマリの館とはかなり違う。

ベルトなど金属ものを外し、通された部屋には少女が座っていた。口を開かないので、こちらで願いごとをして手を合わせ、お布施?を置いてきた。

カトマンドゥのクマリは厳格だが、こちらは庶民的だという。写真も座っている姿を取るだけなら大丈夫だった。

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