フエの建造物群・下(ベトナム)

少し足を延ばして奥に行くと、皇后や第6代皇帝で半年で亡くなった甥のキエンフック(建福)帝墓などもある。

キエンフック帝墓

最も嫌われた皇帝だった?第12代カイディン帝廟

車で15分ほど、次の「カイディン(啓定)帝廟」へ。丘というか山の斜面に造られている。最初から階段が待ち受けている。

カイディン帝は王朝末期の第12代皇帝で、在位は1916~25年。陵墓は「応陵」と呼ばれる。帝が崩じた後も造営が続けられ、1931年に完成した。

フランスに擁立された皇帝で、傀儡ともいわれた。文字もフランスの意向で中国の影響がある漢字から現在のベトナム語の文字に替えた。陵墓にもバロック様式を取り入れて東洋様式と欧州様式が混在する建築になっている。

段々畑のように5段のエリアがあり、1段目に入場券売り場、2段目は広い「拝庭」。真ん中に「碑亭」があり、カイディン帝の功績などが書かれた石碑が収められている。広場の左右には大きな石塔と文官、武官に象や馬などの動物の石像が立っている。

カイディン帝廟・拝庭

カイディン帝廟・碑廷

3、4段目は狭く、見る建造物もないので5段目の広場へ。ここまでで階段は120段あったらしい。広場の奥に階段で少し上がったところに「啓成殿」が建っている。寝殿にあたるところで、陵墓というよりは小さな宮殿という感じの作りになっている。

外は地味な色合いに見えるが、フランスから取り寄せた鉄筋コンクリート造り。当時しては先進的な建築だった。屋根の装飾がきれいだ。

カイディン帝廟・啓成殿

中に入るとびっくりする。壁には細かな彫刻のほかに、アジア各地から集められたガラス瓶や陶器の破片をモザイクのように組み合わせた花や鳥などの模様が彩っている。よく探すと日本のものも見つかるという。

奥にカイディン帝の墓所がある。金箔をはられたカイディン帝の座像の足元に眠っているという。先に触れたが、亡骸が祀られた場所を特定できる皇帝はカイディン帝だけだという。

この墓所の部屋もさらに装飾が豪華。特に天井に描かれた龍の図が圧巻だ。また、ドライフラワーになった花輪が置いてあるのは、1925年に亡くなった時の葬式に来たフランス人が持ってきたものだという。

カイディン帝廟天井画

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