サガルマータ国立公園(ネパール)

遠くに頭1つ出ているのが、たぶん世界3位のカンチェンジュンガ(8586メートル)だろうか。世界の屋根が勢ぞろいしているこの周辺が世界遺産になっている。

カンチェンジュンガ(右)とマカルー(左)

大きく旋回して帰路に入る。窓から見えるサガルマータが遠ざかっていくころ、我に返った。見るのはサガルマータだけではない。白い屏風のように連なるヒマラヤの峰々も負けず劣らずの偉容をみせている。

あわてて、窓の外を見た。このフライトでは8000メートル級が6座は見られる。

サガルマータ近くにあったチョ・オユー(8201メートル=6位)はあまり記憶にないのだが、写真には撮れていたようだ。

チョ・オユー(左)

たぶんシシャパンマ(8013メートル=14位)も無意識に見て撮っていたようだ。いずれも周りより高いので、目に入っていたのだろう。

シシャパンマ

テーブル型のおもしろい形をしたメルンチェ(7181メートル)が目を引いた。8000メートル級の山々を見ていると、7000メートル台だと「低い」と感じるが、富士山(3776メートル)の倍近くある。

メルンチェ

ただ、せっかく行きに客室乗務員が山の名前をアナウンスしていたのだが、どこかに飛んでしまってよく分からないまま、何度も山の形を見てはイラスト地図と外に視線を行き来させる。

ランタン山群

あっという間にカトマンズの街が見えてきた。離陸して約1時間。飛行機を降りる際、サガルマータを見たという証明書をもらった。世界最高峰を自分の目で見られた極上の時間になった。

ネパールでの山と丘の違い

夕方、地上からヒマラヤの夕日を見に行った。

ネパールには高山がたくさんあるが、ガイドによると「1年中雪をかぶっているのが山。それ以外は丘です」という。富士山並みの3000メートル級でも名前も付いていない「丘」が無数にあるらしい。

カトマンズから車で1時間半ほどのナガルコット(標高2100メートル)に行った。「コット」は丘という意味もあるといい、展望台などになっていることが多い。

ナガルコットから

ナガルコットも日本ならりっぱな高山だ。「でも、日本の山は海からの高さ。こっちはカトマンズの街で既に1300メートルありますから、日本だと800メートルぐらいの丘と一緒」と、慰めるように言ってくれた。雲の上に見えるのはランタン山群だという。

「乾期だと朝はきれいに山が見えることが多いのですが、夕方はよほど天気がよくなければ難しいです」とガイドに事前に言われて、展望台へ。

ちょうど、ヒンドゥー教最大の祭り「ダサイン」の最中で、凧揚げ大会に使った足場があり、さらに一段高いところから見られた。凧揚げをやるだけあって、風が強い。丘を挟んで反対側に、夕日が沈んでいくにつれて、暮れゆく日差しを受けた「山」が輝きを増す。

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