
ベツレヘム(パレスチナ自治区)
壁にのぞき穴がある。「ローマカトリックとギリシャ正教がけんかをして、壁を造ってしまったので、行き来できなくなった。向こうの様子を見るためののぞき穴です」(ガイド)。のぞいてみると、礼拝者と祭壇の一部が見えた。

地下洞窟の壁にあるのぞき穴
元々家があったといい、家畜小屋と一体になっていた。日本でいうと母屋と厩がL字型につながっている曲がり屋のような造りだったそう。イエスが生まれたのはその厩だったということなのだろう。どこに何があったかよくわからないが、雰囲気は味わえた。

聖書を世界に広めた人
ローマカトリック教会の地下にはもう1つ、ヒエロニムス(Hieronymus)という聖職者の部屋がある。聖書をラテン語訳で翻訳し「ウルガータ訳」と呼ばれるこの聖書は世界中に広まった。420年に没するまでここで聖書の翻訳をしていた。

ヒエロニムスは右から2人目
「ヘブライ語から訳したのですが、神の言葉を訳するのに苦労したといわれています」という。
ヘブライ語には母音記号がなかったため「神をエホバと読むのが分からなかったそうです。モーゼの頭から光が出たというところを角と誤訳もしたそうです。これを読んだミケランジェロがモーゼ像をつくった時に角をつけたといわれます」とガイド。
そういえば「ローマ歴史地区、教皇領とサン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂(イタリア、バチカン) 4大バシリカ(大聖堂)」で紹介したサン・ピエトロ・イン・ヴィンコリ教会で見たミケランジェロ作のモーゼ像には角があった。
教会の前に広場にヒエロニムスの像が立っている。

現在の地上に上がった。ローマカトリック教会の祭壇には、生まれたばかりのキリストの像が飾られている。行ったのは2月上旬だったが、まだクリスマス期間中ということで置いてあった。普段は地下の祭壇に置かれているそうだ。
聖誕教会だけあって、クリスマス12月25日は大変な賑わいになるという。

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