古都ホイアン(ベトナム)

 

来遠橋工事現場をもう1度通り抜けると、道が二手に分かれている。左が「チャン・フー(Tran Phu)通り」で、右がトゥボン川沿いを行く「バク・ダン(Bach Dang)通り」。この2つの通りに挟まれているところが、世界遺産に登録された旧市街の中心になる。

チャン・フー通りを歩き、「福建会館(Hoi Quan Phuc Kien)」に入った。3つの出入口のあるりっぱな中国ふうの門をくぐる。

会館は17世紀に中国・福建省から来た商人たちによってつくられたという商工会議所。建物内でまず目に入るのが、天井から吊り下げられた大きな螺旋状の線香。中国の寺でよくみられる線香だが、ここのものは巨大だ。何時間ぐらい持つのだろうか。

奥に行くと、道教の女神「天后聖母」の像がある。貿易商にとって大切な航海の安全を祈願していたという。日本人が鎖国で去った後、ホイアンで力をつけたのが中国人。ランタンを持ち込んだのも中国人らしい。

観光チケットは右側に印刷された5枚の入場券を、入ったところで切り取られていく仕組み。3つ目は「海のシルクロード博物館(陶磁器博物館、Bao Tang Gom-su Mau Dich Hoi An)」に入った。

陸のシルクロードと対比される海の交易路で、当時は日本、中国、東南アジア、インドを結び、欧州まで伸びていたといわれる。当時の船の模型や交易品が展示され、日本の伊万里焼がベトナムへ、ベトナムの安南焼が日本へ、というように交易がおこなわれていたことを発掘品などからも解説している。

雨が降り続いているので、4枚目は博物館向かいの「クアン・タン(廣勝)の家(Nha Co Quan Thang)」にした。300年ほど前に建てられた伝統家屋で、入り口は狭く、中に長い、ウナギの寝床のような家になっていた。ここも福建省から来た薬商人が住んでいたという。

中に入ると、壁が黒い。壁や欄間は細かな彫刻で飾られている。部屋と部屋の間には中庭があり、吹き抜けになっていて光が入ってくるのだが、雨も吹き込んでくるようだ。雨の多い土地だけに大丈夫なのだろうか。壁は苔むしている。

雨もひどいので、近くの食堂で昼食を取ってから、ビールを買って一旦ホテルに避難した。チケットはあと1枚残っていたので、夕方行われる伝統芸能の会場に行くときに使おうと思った。

ほどなくして雨はほぼ上がったので、演目の開始時間に合わせて会場をのぞいてみたがかなりの混雑。席がなさそうで、コロナもまだ心配だったのであきらめて、旧市街をぶらぶらと散歩した。

夕暮れ時になり、市場に行ってみた。昼間なかった場所(路上)に夜市の屋台もでていた。昼間は野菜をはじめとした食料品の店が目についたが、夜は名物のランタンの店をはじめ、またさまざまな夜店が開いていた。

1999年登録

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