
古都京都の文化財 醍醐寺(日本)
JR大阪駅~山科駅~地下鉄醍醐駅~醍醐寺
京都の南、洛南に豊臣秀吉ゆかりの場所が世界遺産になっている。真言宗醍醐派の総本山「醍醐寺」。2021年、行ってみた。
大阪での仕事が雨で延期になって1日空いた。雨は降り続けているが、ちょうど桜の季節で「醍醐の桜」が満開に近いというので、見に行くことにした。
大阪からJRで山科に行き、京都地下鉄に乗り換えて昼過ぎに醍醐駅へ。傘を差してゆっくり15分ほど歩くと、醍醐寺の「総門」に着く。

総門から入ると、広場のような、道のようなところにでる。「桜馬場」という、醍醐寺のメーンストリートになる。両側にはほぼ満開の桜。雨に打たれているが少し残念だが、まだ花はしっかり枝についている。日差しがあるともっときれいなのだろう。

「醍醐の桜」は雨でもきれい
桜馬場に入ってすぐ左手に「三宝院」がある。醍醐寺座主の居住する本坊だという。入ると広場になっていて、しだれ桜などが植えられている。桜の寺らしい。

パンフレットによると、醍醐寺は874年に理源大師聖宝によって開山。醍醐、朱雀、村上の天皇3代が帰依したことで大きくなった。室町時代には足利尊氏、義満らが帰依して栄えたが、応仁の乱(1467~1477年)で大きな被害を受けた。
桃山時代に入って、豊臣秀吉が帰依し、1598年に有名な「醍醐の花見」を行ったのを契機に、80代座主の義演准后の願いで再興された。

三宝院
寺域は醍醐寺発祥の地で山域に広がる「上醍醐」と、麓の「下醍醐」に分かれている。全部見るとけっこうな時間がかかるだろう。出発が遅れたのと、雨で道の様子などがわからないので、今入っている下醍醐だけを見ることにした。
秀吉が造った趣のある庭園
三宝院の受付に行くと、ちょうど特別拝観の期間中で3つの重要文化財の建物を公開しているという。三宝院内部は撮影禁止。玄関を入って左に行くと「葵の間」「秋草の間」「勅使の間」と続いている。描かれた襖絵からついた名前らしい。
その先が国宝の「表書院」。中にいるので外観はわからない。こちらも長谷川等伯一派らによる襖絵が描かれ、上・中・下段の間と、床の高さが3段になっている珍しい造りだ。表書院からは特別名勝の庭園が眺められる。

この庭園は秀吉が「天下を収める者が所有する石」として継承されてきたという「藤戸石」を聚楽第から持ち込み、自身で作庭した。作庭のセンスがあったのかどうかわからないが、苔むした感じと雨もあって、いい雰囲気の庭だ。
苔むした橋の先に大きな石が建てられているのが、たぶん藤戸石だと思われるので、秀吉以後は継承されなかった。

藤戸石(左奥)が立てられた庭園
砂をしいた枯山水の部分には3つの特徴のある石が置かれていて「賀茂の三石」といい、川の「速い流れ」「淀んだ状態」「水が砕け散る」を表しているのだという。その先の松が生えている浮島は左が「亀島」、右が「鶴島」と縁起がいい。

賀茂の三石(手前)
表書院を奥に進んだ先が特別公開エリアだった。まず「純浄観」に入る。醍醐の花見で秀吉が使用した建物を山から移築したものだという。
手前側からつながっているのが「奥宸殿」。写真でお見せできないのが残念だが、パンフレットによると日本三大名棚という「醍醐棚」と呼ばれる違い棚がある。純浄観に戻り、奥に進むと「本堂」につながっている。外観を見られた。
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