古都奈良の文化財(日本) 興福寺・元興寺
興福寺は何度も火災などに見舞われ、建物は何度も造り直しているが、仏像は火事でも持ち出しやすかったのか、元々の奈良時代のものが多く残っている。
東金堂の隣が2010年にリニューアルした「国宝館」。前行った時とは全く違う建物になっているように思えた。2017年にもリニューアルされている。
入場券を買う時には聞き忘れたが、前回のことがあったので、入口で「阿修羅像はいますか?」と係の人に聞いたら「おられます」。今回は貸し出されていなかった。
館内は撮影禁止なので、実際に自分の目で見てきた方がよろしいかと思う。
阿修羅像は国宝「八部衆立像(脱活乾漆造り)」の中の1体だが、表情が素晴らしく、人気者になった。興福寺HPによると、八部衆は元々インドの異教の神を集めて仏法を守っている。734年に創建され、現在はなくなっている西金堂に置かれた。
阿修羅は「アスラ」といい、悪の戦闘神だったが、仏教に取り入れられてからは釈迦を守護する神になった。三面六臂、3つの顔と6本の腕がある。
また、飛鳥山田寺のものだったとされる銅製の国宝「薬師如来仏頭」(685年)も有名で、拝観券の写真になっている。
特別開扉の時に行きたい
国宝館を出て、境内の中庭のようになっている回廊跡に沿って行くと、再建工事中だった「中金堂」がある。2018年に完成したというので、今は真新しい中金堂が見られるのだろう。
ちなみに金堂は寺の本尊を安置した本堂に当たるもので、興福寺には東と中、そして今はなくなっている西と3つの金堂がある。本堂がそんなにあるということは、相当大きな寺だったことがうかがえる。
回廊を過ぎると、八角形の屋根の面白い建物がある。「北円堂」という。法隆寺(世界遺産)の夢殿のような形をしている。
721年に建てられ、現在のものは1210年ごろの再建。本尊は弥勒如来像で、無著・世親立像、四天王立像と国宝が安置される。春・秋の特別な期間に公開されることがあるという。
進むと対になるように「南円堂」という同様の建物がある。813年に建立され、現在のものは1741年創建。本尊は不空羂索観音像で、四天王立像、法相六祖座像と国宝が収められている。西国三十三所の第9番札所になっていて、こちらは10月17日に特別開扉される。
南円堂の先にある階段を降りて、帰路に就く。斜面には奈良らしく、鹿が群れていた。
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