
フエの建造物群・下(ベトナム)
フエ市内~ティエンムー寺~3帝廟
コロナ禍が収まってきて、渡航できる国が多くなってきた2023年12月、ベトナムに行ってみた。
かつての都フエに入って「王宮」を見た翌日、旅行会社でチャーターした車でホイアンに向かいながら「フエの建造物群」を見ていく。まず「ティエンムー寺」に行った。駐車場からフォン川に面した道に出て少し行くと参道となる階段がある。

フエのシンボルタワーがある古寺
この寺は1601年建立でフエでは最も古い寺院。漢字ではティエンは「天」、ムーは「姥」と書く。グエン王朝の基になった広南朝の太祖グエン・ホアンが村民から、ある夜に赤い衣と緑色の裾を着た老婆が丘の上に現れ、人々に「いつかここに真の主がやって来て、強力な国をつくるために、寺を建てるだろう」と言ったとする伝承を聞き、フォン川に面した丘の上に寺を建て「天姥(ティエンムー)寺」と名付けたという。
寺のシンボルは「トゥ・ニャン(慈仁)塔」。グエン王朝第3代ティエウチー(紹治)帝が1845年に建てた。高さ21mの八角形七層の塔で、悟りを意味する蓮の形をしている。各階には過去七仏(釈迦如来までの7人の仏陀)の座像、最上部には7人目の釈迦如来像が安置されているという。

ティエンムー寺慈仁塔
残っている建物は少ない。塔の左右に、大きな石碑を甲羅に載せた亀の像がある「六角碑亭」と、1710年鋳造で高さ2.5mのフエ最大の鐘を収めた「六角大鐘楼」がある。

ティエンムー寺・碑亭
正門(三門)をくぐった先に「大雄殿」という本堂。ここでお参りして戻る。

ティエンムー寺・三門

ティエンムー寺・大雄殿
1963年に当時の南ベトナム政府の仏教弾圧に抗議して、車でサイゴン市(現ホーチミン市)に行って、大衆の前で焼身自殺したティククアンドゥク僧侶に関する展示があったらしいのだが、気づかなかった。
最長在位の第4代トゥドゥック帝廟
前日、王宮で買った入場券で入れる3つの皇帝陵を見るのに、効率のいい順番をチャーター車の運転手に聞くと「トゥドゥク、カイディン、ミンマン」の順になった。
第4代皇帝トゥドゥク(嗣徳)帝は18歳の1847年に即位し、1883年までの約35年、最も長く在位し、王朝は最盛期を迎えた。儒教を重んじ、1851年にキリスト教宣教師の立ち入りを禁止としたことで1858年にフランスとスペイン連合軍にダナンを占領されるなど、フランスの支配を受ける始まりとなった。
また、正室、側室が100人以上いたにもかかわらず、子供ができなかったため、3人の甥を養子としたが、死後の後継争い、権力争いで王朝衰退を招いた。
トゥドゥク帝廟は「謙陵」といい、離宮を兼ねていた。入ると目の前に「謙湖」という池が広がる。池のほとりに3つの建物が連続する「ズー・キエム・タ(愈謙榭)」と、湖に張り出した「スン・キエム・タ(冲謙榭)」という建物があり、釣りや船遊びなどができる感じで、のどかな雰囲気がある。
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