
フエの建造物群・下(ベトナム)

ミンマン帝廟・碑廷内の石碑
次に、立派なオレンジ色の建物が目に入る。「ヒエン・ドック(顕徳)門」という、中国ふう建築の門。3つの扉があるが、やはり真ん中は皇帝が通るので閉じられており、左右どちらかを使用する。

顕徳門をくぐると、礼拝堂または寝殿としての建物で「スン・アン(崇恩)殿」に出る。こうした祈りの場所も必ずある。内部にはミンマン帝と皇后の位牌が祀られている。


先に進む。少し高くなったところにあるのが「ミン・ロウ(明楼)」。中には皇帝が生前使用した寝台が置かれているというので、こっちが実際の寝殿か。

ミンマン帝廟・明楼
ここで1つ目の池が終わり、2つ目の三日月形の池にかかる「新月橋」を渡ると、陵墓に突き当たる。扉が閉められて、見学もここまで。ただし、先述したように、この陵墓に遺体は祀られていない可能性が高い。

1750mの城壁に囲まれた皇帝廟は、敷地としては最大面積だというが、建物は最小限という印象だ。陵墓を造り始めてすぐに亡くなったため、早く完成させなければならなかったからなのだろうか。
詩文を愛した皇帝だったこともあって、詩文の彫刻約600点が顕徳門や崇恩殿、明楼の壁面などに刻まれているそうなので、興味があれば探してみてはいかがだろう。
1993年登録
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