ヴァチカン(バチカン)市国 ヴァチカン(バチカン)美術館
古代アテネの哲学者が一堂に会しており、中央に天を差すのがプラトン、地を差すのがアリストテレスとされている。
ここには哲学者の姿でラファエロと同時代に人を描き込み、プラトンはダ・ビンチ、手前で片ひじをついているヘラクレイトスはミケランジェロとされ、本人も右端に黒い服で少し隠れて描かれているそうだ。
「聖体の論議」は、ラファエロがこの仕事を引き受けて最初に描いた作品だという。
「パルナッソス」ではギリシャ神話のアポロンと、詩神で学芸をつかさどるミューズが描かれている。もう1枚「枢要徳」という絵がラファエロの手によるものだという。
長居したが、第4室「火災の間」。ヴァチカン近くのボルゴで起きた火災を法王が十字を切って鎮めたという説話を基にした「ボルゴの火災」が部屋の名前になっている。
「レオ3世のカール大帝への授冠」は800年に行われた出来事を描いている。
「オスティアの戦い」はレオ4世の時に起こった849年のサラセン人との海戦の様子が描かれている。
もう1枚、「レオ3世の宣誓」は、嫌疑をかけられたレオ3世が無実を宣誓しているシーン。この部屋はレオ3,4世の物語のようだ。
やっと会えたミケランジェロの大作
ラファエロの間でだいぶ時間を過ごしたが、26年前によく見なかったところ、記憶が薄いところが解決した。もう1つ、解決しないといけない。「システィーナ礼拝堂」に急ぐ。そろそろ人も多くなってきている。
案内板に従って行き「え?」と思うような普通の出入口を入ると、広い部屋になる。システィーナ礼拝堂だった。「最後の審判」はどこにある?
さすがの人気でここはごった返している人たちを見ると、入ってきた方の壁を見上げている。中に入って振り返ると、そこにあった。
ここだけは撮影禁止。ただ見上げる。壁一面に、ミケランジェロが描いたフレスコ画。中央に筋骨隆々の審判者キリストが描かれ、左の天国、右の地獄にそれぞれ振り分けられた人々はガイドブックによると391人いるそうだ。
そして長さ約40㍍の天井には旧約聖書創世記のエピソード9つが中央に、預言者や聖人がその横に描かれている。天井は高さ20㍍ぐらいあるので、小さくしか見えない。双眼鏡を持って来ればよかった。
「アダムの創造」で指と指を合わせているシーンは映画「E.T.」にそっくり。アダムとイブの「楽園追放」や「ノアの洪水」など知っている場面も多い。
ミケランジェロはユリウス2世のために1508年から5年かけて天井画を描き、1535年から5年かけて法王パウロ3世のために「最後の審判」を描いた。特に天井画は上を向く不自由な姿勢を強いられながら1人で描き上げたものだという。
残念ながら写真は撮れないので絵葉書を買ってきたが、ぜひ自身の目で見に行っていただければ。
絵画館での巨匠の競演
マップでは先に進むと入口付近に出る方法があるようなのだが、見つけられなかったので、来た方向を入口まで戻った。一応、26年前から見残していた「ラファエロの間」「システィーナ礼拝堂」は見終わったので、戻りながら小さな部屋などにも立ち寄った。
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