
古都京都の文化財(日本) 高山寺
京都駅~バス栂ノ尾
京都北部の山の中に「三尾(さんび)」という、特に紅葉がきれいとされる一帯がある。その中の「栂尾(とがのお)」に、日本最古の漫画といわれる「鳥獣人物戯画絵巻(鳥獣戯画)」を収蔵している「高山寺(こうざんじ)」がある。2023年、行ってみた。
京都駅から栂ノ尾行きのバスに乗って1時間はかかる。高雄(高尾、たかお)、槙尾(まきのお)、栂尾(とがのお)の三尾すべてを通る便利なバスで、距離はあるが230円の京都市内の均一運賃区間に入っているのは助かる。
栂ノ尾で降りた。なぜか停留所名には「ノ」の字が入る。停留所で帰りの時刻を見てから、バス停の背後の山に上る道を使った。実はこれは「裏参道」なのが、上ってから分かった。高山寺の国宝「石水院」の横手に出る。白壁に沿って行くと、石水院の門になる。

お茶の発祥の地でもある
高山寺は、HPやパンフレットによると、奈良時代末期の775年に光仁天皇の勅願によって「神願寺都賀尾坊」と称して開かれたという。高雄の神護寺の別院だったが、鎌倉時代の初めに高山寺中興開祖の明恵上人(1173~1232)が後鳥羽上皇からこの地を賜り「日出先照(ひいでてまずてらす)高山之寺」という勅額を賜って、高山寺を称するようになった。多くの人の信仰を集め、鳥獣戯画などの文化財が集まったという。
また臨済宗を開いた栄西禅師が宋から持ち帰った茶の種を贈られて栽培を始め、宇治に伝わり、そこから日本全国に広まったとして「お茶の発祥地」ともいわれている。
石水院は明恵上人の時代の唯一の遺構で、後鳥羽上皇から学問所として賜った建物。鎌倉時代初期の寝殿造の特徴を残しているそうだ。


建物の中は撮影禁止だった。入口から入って短い渡り廊下を行くと、石水院につながっていて、西側の「廂(ひさし)の間」に入る。板の間の真ん中には、明恵上人が敬愛したという「善材童子像」が置かれ、欄間には富岡鉄斎筆「石水院」の額がかかっている。
南側に回り込むと、こちらの欄間には後鳥羽上皇の勅額がかかっている。大きな建物かと思ったらそうでもなく、南向きに6畳ぐらいの畳の部屋が2つ並んでいる。縁側? から庭を眺める。室内から外は撮影した。


鳥獣戯画の動物は意外と小さかった
畳の部屋のうち、東側の部屋には鳥獣戯画がガラスケースの中に展示されていた。オリジナルではなく、模写だと思う。
鳥獣戯画は甲乙丙丁の4巻からなる墨絵の絵巻物。平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて、複数の人によって描かれたそうだが、どこでだれが何を描いたのかは不明という。有名なのは甲巻で、擬人化された動物によって人の日常の様々なシーンを描いている。明恵上人が目にしたかどうかはわからない。パンフレットにもいくつかあった。

乙巻は写実的な動物図、丙巻は前半が人間戯画、後半が動物戯画、丁巻には人間が描かれている。甲巻のカエルやウサギのアップをよく見ているので大きく感じていたが、現物(模写)は意外に小さい図だった。
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